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要請書

  • 内閣総理大臣 菅直人殿

4月1日、国土交通省が発表した平成23年度道路事業の予算額は1兆4536億円で昨年度の予算規模を踏襲していることに、私たちはたいへん驚いています。東日本大震災や福島第一原子力発電所事故が発生し、今後、国と地方を合わせて30兆円を超える災害復興費を捻出しなければならない時に、昨年と同規模の道路予算を組むなど全く信じられません。

直ちに、平成23年度の道路予算を全面的に見直し、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故による被害者救援と被害地復興のために、これらの道路予算を振り向けるよう要請します。

道路住民運動全国連絡会は、これまでも自然環境や住環境、文化遺産を破壊する高規格幹線道路や地域高規格道路、さらに都市計画道路の中止を求めてきました。現在進められている道路建設の大部分は、東日本大震災や原発事故の救援や復興に較べれば、いずれも不要不急の事業と言わざるを得ません。今こそ政治が大きな判断をしなければならない時です。

平成23年度の道路予算の執行を止めて、予算の全面的見直しと、大震災などの復興のために貴重な国民の税金を使われるよう強く要請します。

2011年4月26日

  • 道路住民運動全国連絡会

第36回全国交流集会アピール

私たちは、第36回道路全国連・全国交流集会を11月13日、14日、愛知で開催、全国から43団体142人が参加した。

昨年8月の総選挙に向けて民主党は「コンクリートから人へ」をスローガンに、マニフェストには「自動車中心の街づくり政策を転換し、路線バスや軌道系交通(鉄道・路面電車・次世代型路面電車システムLRT等)を充実する」と掲げた。そして政権担当後は国幹道建設会議を廃止し、全国の国道130路線を凍結候補とするなど、自公政権の道路特定財源に依拠してひたすら道路づくりを推進する政策に対比して、大いに期待を抱かせるものであった。

しかし半年も経過しないうちに凍結候補の6割、78路線の凍結を解除してしまった。民主党都道府県連の要望によるものという。これら民主党都道府県連が日本の、あるいはそれぞれの都道府県の交通政策について議論したかどうかは報道されていない。

また、高速道路については、建設の可否を判断する事業評価の費用対便益(B/C)の計算過程で便益を過剰に計上し、建設ありきで計画が進められているとの指摘がされている。この度、行政刷新会議で公共事業評価の要であるB/Cが俎上に乗ったが、道路全国連はより一層の抜本的見直しを求め、それに基づいて全事業のB/C見直しを要求する。

決定されれば状況が変化しても止まらない道路計画・建設に対し、道路全国連は、改めて徹底した情報公開と事業中止を含めた再検討を求めるものである。

そもそも道路建設の理由としてまず挙げられる交通渋滞に対し、道路新設によって対応する政策はすでにここ30年にわたり破綻が明らかになってきた。つまり道路を新設、拡大するたびに渋滞は拡大し続けてきている。

いまや年々多様化し増大する国民の交通要求に対しては、道路増設によらず、公共交通拡充によるしか解決はあり得ない。これはこの間、世界で立証されている。CO2削減のためにも、PM2.5削減のためにも自動車交通の総量抑制は重要な課題となっている。

この1年も道路計画見直しや道路公害に反対し粘り強い運動が全国各地で展開された。5月には広島の国道2号線訴訟で、道路の差し止めは認められなかったものの周辺住民の騒音被害に対し国の賠償を求める判決が出された。また、大気汚染公害裁判を闘ってきた公害被害者が要求する医療費全面救済を私たちも支持し、その成功のために闘うものである。

道路全国連は、個々の道路に対する公害対策を求め続けると同時に、車優先の道路建設から本来あるべき交通政策の樹立を要求するものである。

2010年11月14日

  • 第36回道路全国連・全国交流集会

第28回全国交流集会 道路関係四公団民営化推進委員への申し入れ

政府の道路関係四公団民営化推進委員会は本年8月30日、これまでの審議結果を中間報告として首相に提出しました。

しかし、その内容は「必要性の乏しい道路を造らない」「国民が負う債務を出来る限り少なくする」、この2点を基本理念とすると明言しながら、(1)債務返済を50年間に延長し高速道路の残事業完成をわざわざ保障したこと、(2)そして、保有・債務返済機構(仮称「機構」と言う)なる新組織をつくり高速道路建設を民間経営・有料道路としながら、公共事業としての位置付けを明確化していること、(3)しかも「機構」に新規投資資金を与え、高速道路の残事業完成を二重に保障していること、など2点の基本理念を大きく逸脱する内容となっています。これでは「羊頭狗肉を売る」ものと言わざるをえません。

11月9~10日、京都市内で開催された第28回道路公害反対運動全国交流集会に参加した私たちは、既設幹線道路による、景観破壊、大気汚染や騒音による健康破壊、そして自然や住環境の破壊などの道路公害をなくすために、この「中間報告」を容認するわけにはいきません。

「国民が負う債務」は単に経済上の負担だけではありません。高速道路を中心とする沿道住民への道路公害もまた深刻な「債務」でもあります。

よって、私たちは、12月末に予定されている「最終報告」では、次の点を踏まえ、とりまとめるよう、強く申し入れます。

1 財政問題について

1)有料制による高速道路の建設は、そのほとんどが不採算路線となると予想されます。このため十分な調査をもとに、不採算路線は、直ちに建設を中止すべきです。

2)一般国道、自動車専用道路2,300km建設は道路特定財源をもととした建設道路であり、国が7割、地方自治体の3割負担は生活道路そのものの維持・修繕さえ圧迫し、地方財政を危機に陥れています。これも論議の俎上に乗せ、建設を中止して下さい。

3)阪神高速道路公団及び首都高速道路公団が管理している地域高規格道路は「準高規格幹線道路」と言われ、全国で6,000~8,000kmを新設する計画です。このため、議論の対象を単に道路公団管理関係だけでなく、地域高規格道路全般についても論議し、あと約6,000kmの建設費用約60兆円(試算)の投資計画を中止するよう論議して下さい。

2 道路政策について

1)騒音・排気ガスによる大気汚染による喘息、ガン等の疾病、交通事故、景観破壊など、いわゆる道路公害を無くする議論も是非深めて下さい。

2)国土面積のみならず可住面積の狭い日本、過密な都市構造をもつ日本に相応しい、本来の交通政策のあり方も論議され、公害の無い交通政策実現に向けて、論議を深めて下さい。

3)新設道路をストップし、現道の渋滞解消と安全対策にその費用を振り向ける道路政策の変更に向け討議して下さい。

4)少子化による適切な将来の予測人口による自動車台数予測をもとに道路政策を行なって下さい。

3 その他

1)国民固有の権利としての「交通権」は、有料道路制度によって著しく侵害されています。それは多額の利用料を払わなければ通行出来ないことと同時に、有料道路建設に投資されることにより生活道路に投資されず、渋滞解消や道路の安全性が確保されないためです。このようなことのないように論議し、国民の「交通権」を保障して下さい。

2)日本の幹線道路といわれる一般国道は約53,000㎞あります。これに、高規格幹線道路14,000㎞、更に地域高規格道路約7,000㎞、計21,000㎞の道路新設は、実にその約40%にあたる幹線道路の増設です。これは世界に類例のない暴挙です。直ちにこの全体計画を見
直して下さい。因みに、この計画を完成させるためには、あと115兆円もの浪費が見込まれています。

2002年11月10日

  • 道路関係四公団民営化推進委員あて
  • 第28回道路公害反対運動全国交流集会

第28回全国交流集会 強制収用手続きの中止と土地収用法の改正を求める決議

本年9月30日、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)建設予定地の東京都あきる野市の未買収地とトラスト地に対して、東京都収用委員会は土地収用裁決を行なった。また、10月30日には、京都高速道路新十条通トンネル通過地の鳥羽街道団地でも、阪神高速道路公団は土地収用裁決を申請した。圏央道の八王子市裏高尾地区では土地や立ち木のトラスト地を取り上げるために昨年末から事業認定や土地収用の手続きが始まった。自然破壊や住環境破壊の道路建設に反対する住民運動団体への収用手続きは前代未聞のことであり、絶対認めるわけにはいかない。

いずれの事業も、関係住民は計画発表で始めて事業の内容を知るという行政の秘密主義の下で進められたものである。続けて行われたアセスメントや各種説明会の行政手続きは、形式的で事業を進めるための免罪符や通過儀礼にすぎなかった。再三にわたる話し合いの申し入れすら拒否し続けた行政の姿勢は、厳しく責められる。

これまで不十分であった国民との合意形成を進め、事業の説明責任を果たすとして、昨年6月、土地収用法が改正された。しかし改正の真の狙いは、土地や立ち木のトラスト運動を無力化することであった。事業認定の手続きを若干丁寧にするとして公聴会開催や事業認定理由の公表を義務づける一方で、収用委員会の審理時間を大幅に短縮し裁決後の地権者への補償金の手渡しは郵送でも可能とした。

東京都日の出町の二ツ塚廃棄物最終処分場の土地トラストに手を焼いた行政は、道路建設を止めるため全国各地で展開されているトラスト運動つぶしを法改正の動機にした。国民や関係住民との合意形成を重視するとして改正した新土地収用法ではあるが、基本的な枠組みは変わっていない。起業者である国土交通大臣が土地収用のための事業認定を申請し、事業の公益性を判断し認定するのも国土交通大臣自身である。これは改正時にマスコミも批判した自作自演の制度そのものであり、事業の公益性を判断する意志も資格もないと言わざるをえない。

関係住民との合意形成を無視して、強制収用という強行手段で進めようとしている事業に正当性はない。直ちに収用手続を停止し、事業を見直すべきである。

自作自演の土地収用法は、少なくとも事業認定審査機関を国土交通省から独立した第3者機関にするなど、直ちに改正を行なうことが必要である。

2002年11月10日

  • 国土交通省、京都府、京都市、各自治体、道路四公団 あて
  • 第28回道路公害反対運動全国交流集会

第28回全国交流集会アピール

住環境や自然環境を壊す道路建設の強行や大気汚染などの道路公害の進行に反対し、その改善を求める全国の住民運動関係者は、第28回道路公害反対運動全国交流集会を、京都で開催し、以下の内容を確認した。

昨年から始まった特殊法人等改革の議論や、引き続く道路関係四公団民営化推進委員会での議論の中で、道路公共事業は、政・官・財が相互にもたれ合い、自らの権益の温存・拡大の場としていたことが国民の前に、より明らかとなった。また、閣議決定で実施に移される道路整備五カ年計画は、一度決まれば、財政上も、行政施策上も国民のチェックが全く効かず、専ら自己回転する仕組みもすでに明らかとなった。

この歯止めなき道路公共事業の推進は、今集会での各地からの報告でも明らかになったように、住民が長い歴史の中で育んできた文化や町並み、景観、人々のコミュニティを分断し、自然環境や動植物の生息環境、生態系を破壊してきた。また、大都市では、大気汚染を拡大させ、深刻な健康被害をもたらしている。

我々は、ムダな公共事業の象徴である道路建設の拡張政策は直ちに改革すべきと考える。それは、(1)ただ、財政の破綻に歯止めをかけるという意味だけでなく、(2)地球温暖化を進める温室効果ガスの削減を定めた京都議定書の議長国である日本政府の、世界に対する指導力と国民に対する責任を果すうえで、主要な排出源である自動車の削減をめざすためにも、(3)10月29日、自動車の排ガスと健康被害の因果関係を認め、国・東京都等への賠償を命じた東京大気汚染判決の結果を真摯に受け止めるためにも、(4)そしてなによりも、住民の多くが願っている快適でいつまでも住み続けられるまちを守り、創っていくために、自動車中心の交通政策から環境に優しい多様な公共交通を活かした交通政策に転換することが、21世紀のまちづくりに求められているからである。

このため、この12月に予定されている道路関係四公団民営化推進委員会での最終報告は、以上の内容を前提に検討されるべきであるし、大都市における自動車公害をより深刻化させる都市再生プロジェクトは速やかに中止し、道路公共事業の住民運動つぶしをねらう「改正」土地収用法のやみくもな強行も中止すべきである。

国民の93%は、道路建設などの公共事業は「無駄があり、減らすべき」(共同通信調査、2002年10月)と考えているし、道路建設にともなう財政議論が始まる前の世論調査(内閣府調査、2001年1月)でさえ、「これ以上高速道路を拡充させる必要はない」と答える人が47%にのぼり、「不必要」が「必要」を初めて上回るようになっている。まさに、政府がこれまで進めてきた自動車優先の道路拡張政策は、21世紀の国民のくらしとまちづくりに対立する愚策である。

よって、政府と自治体・道路公団は、以上の点を踏まえて、これまでの道路・まちづくり政策を転換するよう訴えるものである。

2002年11月10日

  • 国土交通省、環境省、京都府、京都市、各自治体、道路四公団 あて
  • 第28回道路公害反対運動全国交流集会

第35回全国交流集会アピール

いま、道路行政は大きな転換のときを迎えている。

第35回道路全国連交流集会は、10月24、25日横浜で開催され、41団体200名の参加で、「今こそ、チェンジ!クルマ優先の道路行政」と交通政策の転換を確信し、熱い討議を行った。

いま、道路行政は大きな転換のときを迎えている。

8月の衆議院選挙で、これまでの道路行政を担ってきた自公政権が退場し、新たに民主党中心の鳩山内閣が誕生している。新しい政権は、高速道路網建設にお墨付きを与えてきた国土幹線自動車道建設会議の廃止や透明性を持った道路づくりの仕組みとすることなど、これまでの道路建設ありきを見直すことを打ち出している。道路特定財源による補助金のバラマキで道路建設に依存する歪んだ経済構造をつくってきたこれらの体制や仕組みを見直すことは、道路全国連の主張であり、大いに歓迎する。

しかし、他方では、高速道路の無料化や自動車関連諸税の暫定税率の廃止も掲げている。これらの政策は、車利用をさらに促すものとなり、電車やバスなど公共交通機関の衰退を招き、大気汚染やCO2の増加をもたらし、高齢化、温暖化の時代に逆行するものである。

道路建設計画が進められている各地では、情報の非開示、説明会拒否、住民無視の測量強行などが相次いでいる。

八ッ場ダムや川辺川ダムなどの建設中止、鞆の浦景観保全判決、泡瀬干潟公金支出違法判決など、公共事業における環境破壊、税金投入が鋭く問われている。公害の原点といわれる水俣の未認定患者、PM2.5などの大気汚染・道路公害患者などの公害被害者救済も待ったなしの課題となっている。

いまこそ、必要のない道路をつくり続け、大気汚染公害患者を生むクルマ依存社会を招いてきた道路行政を、人や環境にやさしい公共交通優先の交通政策に転換させる大きなチャンスが生まれている。

私たち道路全国連は、国民と住民が参画・討議する中で、便益だけでない新しい道路づくりの基準、仕組みをつくることを要求する。

高速道路の無料化、自動車関連諸税の暫定税率廃止も、地球温暖化、公共交通へのモーダルシフトなどの国民的討議を経るまで実施しないよう要望する。

道路行政の転換が始まっていることに大きな確信を持ち、その国民的流れをさらに強くしていくことを誓い、アピールとする。

2009年10月25日

  • 第35回道路全国連交流集会 IN 横浜

第34回全国交流集会アピール

道路行政を抜本的に転換し、健康と環境を守り、安心・安全の新しい国づくりを

国民のみなさん

私たちは、21世紀の道路行政と健康と環境を考えるため、道路公害に反対する全国48の住民運動団体、168名が集まり全国交流集会を大阪で開催しました。

集会での講演・報告や各地の運動の交流を通じ、今や国民的課題である道路問題解決のため私たちが果たさなければならない役割の大切さを改めて確信することが出来ました。

<公害は終わっていない。東京大気汚染公害裁判の成果を生かし、健康被害の救済、環境基準の強化を>

昨年、東京大気汚染公害裁判の勝利和解は、ぜん息始め道路公害の救済が切実に求められていることを示しています。公害はなくなったという行政の宣伝は誤っています。

西村隆雄弁護士らから東京大気汚染公害裁判の成果に基づくぜん息患者の医療費助成が始まり、多くのぜん息患者から喜ばれていると言う報告が行われました。大阪では、東京に続いてぜん息患者の救済を求める府民運動が始まろうとしています。こうした取り組みが各地ですすめられており、その重要性があらためて強調されました。

島田章則・鳥取大学教授の記念講演で紹介された犬の肺に蓄積したナノ粒子など浮遊粒子状物質の画像は大気汚染の凄まじさを改めて示しています。

また、西川榮一・神戸商船大学名誉教授の報告は、PM2.5基準が未だに決まっていないことや二酸化窒素など環境基準が甘いなど、環境基準が国際的にも遅れていることを示しています。 

私たちは、国はPM2.5の環境基準を早急に定め、また二酸化窒素の環境基準を年平均値20ppb以下に強めることを要求します。また、道路公害をなくすための監視体制の強化、最新の公害対策の実施を国や道路事業者、自動車メーカーに要求します。

<地球温暖化を悪化させる自動車排出の二酸化炭素削減を>

地球温暖化対策が待ったなしの中、自動車排気ガス及びムダな高速道路建設による二酸化炭素の排出量が増え続けています。地球温暖化対策のためにも交通運輸政策の転換を求めます。

<「道路中期計画」をとりやめ、道路特定財源の一般財源化をもとめます>

小井修一さんはじめ多くの報告、発言は道路特定財源の一般財源化が国政の重要課題になっており、「道路中期計画」の中止など税金の使い方の在り方からも自動車中心の交通運輸政策の抜本的な見直しが求められていることが明らかになりました。こうした中、各地でムダで有害な道路はいらないと言う世論が高まるとともに、自然環境、文化財、住環境を破壊する道路は止めて欲しいという取り組みなど新たなまちづくり運動が一層重要になっています。

国民のみなさん

今や自動車中心・高速道路建設優先の国づくりを、環境・福祉優先の国づくりへ転換する重要性は誰の目にも当たり前になってきています。

私たちは、公害被害の救済、そしてムダな公共事業の見直しを求める全国の運動と連帯を築き、世論を高め、新しい国づくりに役立つよう新たな決意ですすむことをここに表明します。

2008年11月9日

  • 第34回道路公害反対運動全国交流集会

第33回全国交流集会 特別決議

圏央道工事を中止せよ

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)計画は、バブル経済の1980年代、第4次全国総合開発計画により計画したムダで有害な公共事業の見本である。84年の計画発表時から、千葉県、茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県の総延長300キロメートル沿線で事業に反対する多くの住民運動団体が結成され、建設の反対運動が繰り広げられてきた。

東京都あきる野市では、居住している住民の土地と家を強制収用することに反対し、関係住民は事業認定取り消しの裁判を起した。04年4月、東京地方裁判所は住民の訴えを認め、圏央道は公害を発生させる暇疵ある道路として事業認定を取り消した。この判決は、圏央道は都心の渋滞緩和に役立つという行政の主張も退けた。

国土交通省(国交省)はこの判決に何ら反省することなく、国指定史跡八王子城跡や国定公園高尾山にトンネルを掘ることを強行している。05年5月、八王子城跡の重要な遺構で、これまで一度も涸れたことのない御主殿の滝が涸れた。また地下水位を観測するために設置してある観測孔の地下水位は35メートルも低下した。それ以後、地下水位の低下や滝涸れは回復していない。

06年9月、圏央道建設促進協議会会長を務める黒須八王子市長は市議会で、「滝涸れの原因はトンネル工事であることは明確」と答弁した。07年6月、圏央道工事差し止めを求めた高尾山天狗裁判の民事訴訟において、東京地裁八王子支部は、国の主張を一方的に認める不当判決を下した。しかし、その判決でさえ、トンネル工事による地下水脈の破壊を認定せざるをえなかった。今や滝涸れの原因はトンネル工事にあることは明らかである。しかし国交省は、ここに至ってもなお原因は究明中として、トンネル工事の影響を認めようとはしない。

東京都収用委員会の収用裁決は目前に迫り、高尾山トンネル南北出口に展開するトラスト地を強制収用する手続きが進んでいる。07年5月、国交省は高尾山のトンネル工事に着手したが、一部の土地が買収できず、坑口から50メートルまで掘り進んだところで工事は中断している。 国交省は、未買収地の収用裁決が出るのを今や遅し、と待っている。トンネル工事が始まるや八王子城跡と同様に、沢水が滑れ始めた。トンネル工事の強行は、高尾山の地下水脈を破壊し、山の生態に重大な打撃を与えるであろう。僧が修行する琵琶滝や蛇滝は涸れることは間違いない。

都民のオアシスであり、東京に残された最後の自然の宝庫である国定公園高尾山にトンネルを掘る圏央道工事の中止を強く求めるものである。

2007年11月11日

  • 第33回道路公害反対運動全国交流集会

第33回全国交流集会 決議

道路交通騒音の環境基準のうち幹線道路近接空間特例基準を住居専用地域(A地域)及び住居地域等(B地域)には適用除外とすること。

道路交通騒音環境基準(以下基準)が1999年に改正施行されてから来年で10年となります。

この間、改正基準は自動車にとっては十分な規制緩和となりまた、幹線道路の建設を促進する条件を整備してきました。一方、幹線道路沿道住民等は昼間は乳幼児や高齢者、病人等が安静、安眠を阻害されてこまっています。また、夜間には静穏、安眠が著しく損なわれています。

そもそも、この特例基準は1997年7月の国道43号線道路公害裁判最高裁判決で道路端から20m以内はLeqで60デシベル、20m以上では65デシベル以上を違法としたことに起因しているといわれています。この判決を基準とした場合は、すべての幹線道路沿道が違法状態となり、新設道路はアセスメントがクリアできなくなると国交省、環境庁その他関係者が狼狽し、環境基準の緩和によって事態の収拾を図ったものです。改正案を審議した中央環境審議会では道路派と環境派が争い環境派が敗北したとききます。

改正前、A地域一種住専地域の一般地域の環境基準は昼間55デシベル以下、夜45デシベル以下でした。改正後は、都道府県道などの沿道には近接空間の基準が適用されて昼間70デシベル、夜間65デシベルに激変します。これが特例基準です。こんなことが環境時代にまかりとおっていいのでしょうか。

車優先から人間,地域社会優先に変革しつつある時代になりつつあります。

窓を開けて、自然の風を楽しみ、静穏な夜をすごせる人間本位の生活を沿道住民がすごせるように、A地域、B地域の住専には特例基準を適用しないように改正することを強く要求します。

以上

2007年11月11日

  • 道路公害反対運動全国交流集会
  • 道路公害反対運動全国連絡会
  • 環境大臣殿

第33回全国交流集会アピール

道路公害反対運動全国連絡会は、11月10、11の両日、東京において、「道路行政の民主的転換を求めて」のスローガンのもと、第33回全国交流集会を開催しました。本集会には広島、兵庫、大阪、京都、愛知、神奈川、千葉、埼玉、東京より180名が参加し、討論と交流を深めました。

環境優先の世紀といわれた21世紀も、すでに6年経過しましたが、全国各・地で公共事業の名の下に、住民の生活環境や自然環境を破壊する大型道路建設が強行されています。

2007年6月14日、国土交通省社会資本整備審議会道路分科会は、「品格ある国土と快適な生活の実現に向けた道路政策」の建議を発表しました。

建議には、道路事業を進めるにあたり、国民との合意形成や説明責任を果たすことの重要性、さらに環境への配慮をうたっています。その一方、重要な温暖化対策として、渋滞を緩和し自動車の走行速度を上げるためと称して、都市圏の環状道路整備や道路ネットワークの推進を明記しています。

道路建設にあたり、国・自治体は国民との合意形成や事業の説明責任を果たすことは当然です。しかし一定の柔軟なポーズを見せながら、建設を強行する姿勢は全く変わりません。こうした姿勢は、住民の反対運動や建設に批判的な国民世論をかわすためと言わざるをえません。

8月8日、東京大気汚染公害訴訟原告団と弁護団は、東京高裁での和解を成立させ、裁判闘争を終結させました。この裁判は、国、東京都、首都高速道路公団、そして自動車メーカー7社を被告にした、これまでにない要求を掲げた闘いでしたが、ぜん息患者への新たな医療費助成制度創設や道路公害対策、さらにメーカーから解決金を勝ち取るという画期的な勝利和解を勝ち取りました。 国や東京都は、和解文書に環状道路や道路ネットワークの整備を明記することを強く主張しましたが、原告団・弁護団は、これを批判し、和解不成立も辞さないという姿勢を貫き、この策動をはねのけました。道路公害を共に闘う仲間として、この解決を心から喜ぶとともに、さらに連帯の運動が前進することを望むものです。

国・自治体は道路事業を進めるにあたって、事業の公正性と透明性を高めると公言し、計画の早い段階から住民に情報を提供し、住民との合意形成を図ると明言しています。しかし、これらは現場では活かされていません。あいも変わらず一旦決めたものを強引に進めているのが実情です。

国民の健康を守り、自然環境保全、生活環境保全についての施策を抜本的に改め、これ以上ムダで有害な道路建設は中止すべきです。

車優先から人間優先の社会に今こそ政策転換する時です。

この2日間で討論した内容を地域に帰って報告し、仲間を増やし運動の輪を広げましょう。

道路政策と道路行政の民主的転換は、自然保護やまちづくりに取組む住民運動、市民運動のみならず、国民の多くから求められています。

2007年11月11日

  • 第33回道路公害反対運動全国交流集会