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工事差し止めの司法判断を真摯に受け止め東京外環道事業は直ちに中止し、憲法違反の大深度法は廃止せよ

2022年3月16日

  • 道路住民運動全国連絡会

2022年2月28日東京地方裁判所民事第9部(目代真理裁判長)は、東京外環道工事差止仮処分申立事件において、住民の人格権を侵害する工事の違法性を認め、東京外環道の事業者である「国とネクスコ2社(東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株))」(以下債務者らという)に対して、トンネル工事を一部差し止める旨の決定を発した。

決定の要点は「債務者らは、東京都市計画道路事業都市高速道路外郭環状線のうち東名立坑発進に係るトンネル掘削工事において、気泡シールド工法によるシールドトンネル掘削工事を行い、または第三者をして行わせてはならない」というものである。これによって、東京外環道の往復2本の本線トンネル約16.2kmのうち、それぞれ南側約9km部分について掘進工事の停止が命じられた。この部分は、2020年10月18日に調布市東つつじヶ丘地区の地下47m以深で工事中であったトンネル上の地表の道路陥没と地中3か所の空洞及び地盤の緩みが発見された区域も含んでいる。

本決定によって、事業者らは、裁判上の手続によって具体的な「再発防止対策」を示して決定を覆せない限り、任意に工事を再開することは出来なくなった。

また、今回の工事差し止め決定は当該債権者以外にも本件差止区間のトンネル予定地上の多くの住民に安心感を与えるものである。更にトンネルの真上でない住民についても、地盤の緩み、空洞、陥没の危険が認められ、事業者のいう「トンネルの真上」だけでなく、その周辺の一定の範囲の住民にとっても被害補償につながる決定である。

言うまでもなく、今回認定された9km以外の東京外環道の全区間に於いても、陥没事故など同様の影響が当然に予測されることから、今回決定には不十分さが残されており、当事者の方々が即時抗告したように、司法には事実に正面から向き合い更に踏み込んだ科学的・合理的判断をすることを求める。

東京外環道は平成25年(2013年)に大深度法(正式名称:大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(平成十二年法律第八十七号))の認可を受けて事業が進められている。しかし、「通常使用しない大深度地下を使用するので地上には影響が無い」といった大深度法の「前提」である安全神話は、この間に起きた住民の命さえも奪いかねない酸欠気泡噴出や陥没・空洞事故、振動・低周波音による健康破壊、そして約30戸の家壊し・街壊しにより崩れ去った。

このように無断・無補償で地権者の土地の地下を勝手に使ってよいとする大深度法は、日本国憲法29条(財産権)・13条(人格権)・25条(生存権)などに違反していることが誰の目にも明らかになっている。

東京外環道事業は平成19年(2007年)に地下方式に都市計画変更決定されたものであるが、決定から15年が経過し、この間には社会経済環境の変化によって平成22年(2010年)以降は自動車交通量が減少し続けており、住民などからは事業の必要性や環境破壊など数多くの疑問が出されてきている。

しかも当初に見積もった事業費1兆2820億円が2020年には2兆3575億円に膨れ上がっている。この事業については5年ごとに事業再評価が行われていて、2020年の再評価では費用対効果(B/C)が「1.01」となっている。しかし、平成27年(2015年)に構造変更された地中拡幅部は全体として未だに工法や費用が示されておらず、それらの分を合わせると費用対効果は事業再評価時の判断基準である「1.0」を大きく下回り、当然に中止や見直しすべき事業となる。

事業者らも十分知っているように、仮処分といえども公共事業の中止を裁判所が命じることは非常に稀有な事例であり、今回の工事差し止め決定は極めて貴重で勇気ある画期的な司法判断である。

事業者らはこの度の司法判断を真摯に受け止め外環道全線の事業を中止すること、更に国に於いては特措法である憲法違反の大深度法は直ちに廃止することを求める。

以上

【関係資料】

『道路の現在と未来 ─道路全国連四十五年史』

表紙写真『道路の現在と未来 ─道路全国連四十五年史』

住民は道路事業にどう抵抗し
何をかちとってきたか
道路はどうあるべきかを提言

  • 道路住民運動全国連絡会編著
  • 緑風出版(2021年7月)
  • 本体価格2,600円(税別)
  • ISBN 978-4-8461-2113-6

道路事業は始まったら止まらない。2020年10月に陥没事故が起きた東京外環道の建設計画を始めとした全国の幹線道路計画などの多くは、1978年の第四次全国総合開発計画を起点としている。これらの道路計画はある日突然、発表され、住民は説明会で驚愕の事実を知る。自分の家の上や下を計画道路が走っていて立ち退きを迫られる。建設された道路からは騒音と排気ガスが撒き散らされる。

住民は道路と対峙し、全国組織を立ち上げ、建設を強行する事業者と闘うと共に、住民の理解を得る、透明性のある、持続可能な道路の在り方を提言してきた。本書は、道路全国連の45年の闘いの代表例など事例別に総括し、専門家や研究者の分析・提言などを踏まえ、道路の現在と未来を切り拓く試みである。

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購入について

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目次

  • はじめに
  • 第1部 公共事業の実態と今後への提言
    • 第1章 国土・地域再編の方向性とインフラ整備のあり方(中山徹)
      • 政府は国土と地域をどう再編しようとしているのか
      • 政府が進めようとしている再編によってどのような問題がもたらされるか
      • 国土と地域をどのように展望すべきか
      • 大都市圏は都市のあり方を根底から見直すべき
      • 日常生活圏の整備
      • 行政機関の再編と行政責任
      • 公共施設、インフラ整備のあり方
      • 最後に
    • 第2章 車と道路計画の現状と課題(上岡直見)
      • 道路に関するこれまでの動き
      • これからの国土利用のあり方
      • 人と自動車の動きかた
      • 環境と安全
      • 道路事業評価の不透明性
      • 自動運転は道路問題に貢献するか
    • 第3章 道路の設置管理と市民参加(礒野弥生)
      • はじめに
      • 参加の基準
      • 道路網(ネットワーク)計画と参加
      • 幹線道路の個別路線計画への参加
      • 道路を市民の手に取り戻そう
    • 第4章 東京外環道の事例からみるPIと市民・住民参加(小山雄一郎)
      • はじめに
      • 外環道計画の構想段階におけるパブリック・インボルブメント(PI)
      • 外環道計画におけるPIプロセスの問題点
      • 計画段階以降のPI
      • 市民・住民参加のあり方
      • むすびにかえて
  • 第2部 住民はどのように抵抗し何を勝ち取ってきたか
    • 第1章 住民参加を目指して
    • 第一節 住民参加を目指して PIの実態と取り組み(外環道路反対連盟)
    • 第二節 事業再評価で見直しをさせる(横浜環状道路(圏央道)対策連絡協議会)
      • はじめに
      • ウソ販売への憤慨
      • 都市計画への住民の抵抗
      • 事業評価
      • 「住民合意が不可欠」から質問集会へ
      • 土地収用法
      • 民主党政権
      • 強制収用後の事業評価
      • おわりに
    • 第三節 計画段階で意見を反映させることは可能か(中部横断自動車道八ヶ岳南麓新ルート沿線住民の会)
      • はじめに
      • 計画段階評価とは
      • 賛成意見を誘導するアンケートの問題
      • 新ルート案の突然の発表
      • 「住民に説明した」と居直るためにルート帯関係図を改ざん
      • 利権にまみれた新ルート帯案
      • 国交省は「計画段階評価は適正に終了した」と主張
      • 国交省に代わって山梨・長野県が環境影響評価の手続きを行う
    • 第2章 環境を守る
    • 第一節 守られなかった奇跡の山──高尾山から公共事業を問う(橋本良仁)
      • バブル経済の遺物
      • 日本一生物多様性の豊かな山
      • 高尾山の自然を守る運動と裁判
      • 圏央道開通後の状況
    • 第二節 工事被害への補償問題での前進(環状二号線問題懇談会事務局長 篠原正之、東南部環状2号線問題懇談会会長 弘岡良夫、名古屋環状2号線から環境を守る会事務局長 加藤平雄)
      • 環二東北部
      • 環二東南部
      • 環二西南部
      • 工事被害対応のまとめ
    • 第3章 法廷での闘い
    • 第一節 あきる野から始まった高尾の自然を守る裁判の成果とは
      • 「執行停止」と「事業認定取消」の画期的判決(圏央道あきる野事業認定取消裁判 坂本孝)
      • 高尾山の自然を守る高尾山天狗裁判(高尾山の自然をまもる市民の会 橋本良仁)
    • 第二節 騒音被害から勤務者と居住者の健康を守る判決を勝ち取る(広島・弁護士 足立修一)
      • 広島国道二号線訴訟とは
      • 広島地裁で勝訴
      • 広島高裁判決の概要について
      • 最高裁で広島高裁判決の判断確定
      • 日本における騒音をめぐる訴訟に目を広げると
      • 広島の国道2号線の高架延伸の工事再開に向けた動きについて
    • 第三節 小平道路事件──アセスメントの不当性を争う(弁護士 吉田健一)
      • 住宅街に三六メートル道路の建設
      • 計画の問題点、違法性と環境アセスメント
      • PM二・五を検討しない欠陥アセス
      • 受忍限度を上回る騒音被害を検討しない問題アセス
      • 計画段階でのアセスの欠如
      • 問われる環境アセスのあり方
    • 第四節 東京都の都市計画道路と旧都市計画法の瑕疵について(ジャーナリスト 山本俊明)
      • 遅れている? 東京都の道路計画
      • 異常な道路作り
      • 「明治か江戸時代」の思考の産物
      • 違憲の疑い濃い臨時措置法
      • 結論
    • 第五節 太郎杉裁判に続く勝利(鞆の浦世界遺産訴訟裁判)(道路全国連事務局長 長谷川茂雄)
      • 鞆の浦と訴訟の背景
      • 判決を予感させる出来事や工夫など
      • 鞆の浦訴訟の主な争点
      • 判決の特徴
      • 判決要旨
      • 鞆の浦架橋問題の主な経緯
    • 第六節 大深度法は憲法違反──住宅の真下にトンネルいらない(外環ネット)
      • 高速道路の構造と東京外環道について
      • 地下方式についての住民の疑問・不安に真面目に答えない国土交通省
      • 国を含む事業者を遂に提訴へ
      • 住民の生命・財産に被害が及ぶ外環工事──大深度法は違憲!
      • トンネル工事の安全神話は全く当てにならない──陥没の危険性
      • 致死濃度酸欠ガス噴出でトンネル工事停止仮処分申立て
      • 危惧していたことが現実に!
      • おわりに
    • 第4章 あきらめないで闘い続けるということ
    • 第一節 大阪市は市民の生命・財産・環境保全に責任を持て──住民パワー四九年間の奮闘(廣瀬平四郎)
      • 利便性と自然を求めて入居
      • 高架道路計画を入居時に突然公表
      • 淀川左岸線二期事業のシナリオは国が作成
      • 公団は二期事業を不採算路線と判断撤退し市は採算度外視で推進
      • 河川堤体の技術的諸課題を自主的に検討
      • 都計審が都市計画変更および延伸部都市計画を決定
      • 堤防の安全性を確保するために
      • 黒塗り議事録を全面公開させ審議経過の全容を解明
      • 淀川の現状と二期事業の問題点
      • 河川法による許可 大阪万博開催で工期二年前倒し
      • 南海トラフ地震で淀川左岸線2期全区間堤防液状化の恐れ
    • 第二節 事業者の住民無視の態度とどう闘うか(福山バイパスと区画整理を考える会 迫川龍雄)
      • 福山道路の概要
      • 国土交通省の住民無視の態度
      • 福山市のホームページ「ぶち混むふくやまの道路事情」に抗議して
      • 他の道路団体との連帯と独自の運動
      • 事業者の住民無視の態度とどう闘うか
    • 第三節 市川市における自治体ぐるみの外環反対運動(市川市松戸市外環連合 高柳俊暢)
      • 住民がまったく知らないうちに計画決定された道路
      • 「驚き」と「怒り」が住民のパワーを生む
      • 反対運動を一つにまとめた住民組織の外環連合
      • 自治体ぐるみの「外環反対」を実現
      • 「外環白紙撤回」から「白紙で検討」へ
      • 市の方針変更をもたらした根拠の薄い分析結果
      • 市の計画受け入れ後の反対運動を担った「外環反対連絡会」
    • 第5章 住民側からの提案で事業計画を変える試み
    • 第一節 アセスに最新の知見と技術を提案(横浜環状道路(圏央道)対策連絡協議会)
      • プルームモデルと三次元流体モデル
      • 被申請人の計算結果の変転
      • 申請人によるモデルの検証
    • 第二節 高田町線をきっかけに未着手道路の廃止が本格化(高田町線を考える会代表 古田剛、道路公害反対愛知県民会議代表兼事務局長 篠原正之)
      • 第一次道路整備プログラム
      • 住民運動の粘り強い闘い
      • 「廃止やむなし」市議会答弁
      • 高田町線廃止手続き始まる:九年越しの運動実る
      • 第二次道路整備プログラム「未着手都市計画道路の整備について」
      • 最後に
    • 第三節 東九州自動車道の路線変更を求める(東九州自動車道予定路線反対期成会)
      • はじめに
      • 強引で不可解なコース決定
      • 予定路線反対期成会の結成と立木トラストの運動
      • 岡本みかん園の特徴
      • 山すそルートの検討、設計・費用の試算
      • 政権交代など政治の波の中で
      • 岡本みかん園の強制収用と今後の課題
  • 第3部 資料編
    • 道路全国連の歴史
    • 道路全国連参加団体の紹介
    • 「道路の定義」及び「道路に関連する計画」について
    • 2010年12月日弁連提案「公共事業改革基本法案」骨子(パンフ)
    • 参考文献一覧

『くるま依存社会からの転換を 道路住民運動の35年のあゆみと提言【運動の手引き】』

表紙写真『くるま依存社会からの転換を』

高速道路はもういらない! 35年にわたる全国各地の道路公害・高速道路反対住民運動の成果と課題を明らかにし、脱クルマ、公共交通による新しい道路交通政策を提言する。

  • 道路住民運動全国連絡会編著
  • 文理閣(2011年2月)
  • 本体価格2,400円
  • ISBN 978-4-89259-642-1

目次

  • 第1章 21世紀の道路問題
    • 36年間の運動で見えてきたもの
    • シンポジウム―第27回道路公害反対運動全国交流集会(2001年11月10日)
    • 道路問題緊急シンポジウム(2010年6月19日)
    • 声明(2008年4月26日 道路公害反対運動全国連絡会)
    • 全国公害被害者総行動
    • 道路全国連活動報告
    • 要請書―国土交通大臣殿(2010年6月3日)
    • 国土交通省要請行動の報告
    • 大気汚染公害裁判と環境再生の取り組み
    • みんなの力でかちとったPM2.5環境基準
    • No2の環境基準は達成されたか
    • 公害裁判の原告になって
    • 道路公害裁判の前進と課題
    • 道路建設における費用便益比(B/C)問題
  • 第2章 全国の道路住民運動
    • 強引に進められる北見道路―北見ももんが裁判(公金支出差止請求事件)始まる
    • 東京の都市計画道路問題
    • 国分寺328号線事業認可取消訴訟
    • 都市計画道路西東京3・2・6(旧保谷3・4・6)号線調布保谷線
    • 防災上役立たず! 水没する北西部幹線道路
    • 44年目を迎えた東京外環道路反対運動
    • 東京外かく環状道路(練馬大泉~世田谷宇奈根区間16km)の現状
    • 東京外環千葉県区間―「守ろう、わが町」40年の運動
    • 高速横浜環状道路南線計画と沿線住民運動
    • 高速横浜環状南線(金沢~戸塚)の反対運動
    • 高速川崎縦貫道
    • 高尾山をめぐる圏央道建設の現状と課題
    • 執行停止を勝ち取った「圏央道・あきる野」の闘い
    • 秦野市における第二東名反対の市民運動
    • 新山梨環状道路北部区間の反対運動
    • 名古屋市相生山緑地の自然破壊道路―建設中止を求めて10年
    • 名古屋環状2号線、この10年の運動
    • 「アセスにおける事後調査」の意味に思う―名古屋都市高速の事例
    • 京都におけるまちづくりと交通の運動―その到達点と課題
    • 大阪における道路公害反対運動の経緯
    • 第二京阪国道の公害反対運動
    • 第二京阪道路―全面供用開始による沿道二酸化窒素濃度の増加について
    • 中津コーポ住民運動40年間のたたかい
    • 高速道路「大阪泉北線」廃止から「風かおる“みち”へ!」―より便利に人に優しく安全で安心できる阪和線高架に
    • 第二名神道路のアクセス道路―牧野~高槻線の路線変更を実現したたたかい
    • 「阪神間道路問題ネットワーク」この10年間の経過
    • 高速道路から世界遺産・平城宮(京)跡を守る運動
    • 福山道路等幹線道路網事業―数々のルール無視に抗した闘いの成果と課題
    • 広島都市高速道のトンネル建設問題
    • 広島国道2号線・沿道住民が第一審判決で勝訴
    • <四国横断自動車道建設の現状と課題/li>
  • 第3章 全国交流集会(25~35回)
  • 資料 道路政策及び道路行政に関する文書等

『くるま優先から人間優先の道路へ』

表紙写真『くるま優先から人間優先の道路へ』

くるま社会の転換をめざし,道路公害・自然破壊と闘ってきた全国の住民運動とその成果を一挙紹介。

  • 道路公害反対運動全国連絡会編
  • 文理閣(1999年11月)
  • 本体価格2,300円
  • ISBN 4-89259-342-7

目次

  • はじめに
  • 第1章 道路政策・道路環境政策は転換を
    1. 道路政策は将来を正しく見通していない
    2. 道路行政は情報公開と住民参加を末端まで保証せよ
    3. 道路環境政策は計画時点を重視せよ
  • 第2章 道路公害との闘い―多くをかちとったが、課題も山ほど
    1. 公害はなぜ改善されないのか―その現状と要因は
      1. 大気汚染の現況、被害、対策を検証する
      2. 騒音環境基準が改定された
    2. 環境アセスメントや情報公開は住民本位か
      1. 東京都のアセス法及び改正条例
      2. 大阪府と大阪市の環境影響評価条例
      3. 京都市の環境関連条例
      4. 環境アセス情報公開裁判の10年
    3. 苦しみに耐えて勝利した裁判―その成果と今後の課題
      1. 43号線の騒音公害裁判での最高裁判決と住民運動
      2. 大気汚染公害裁判の成果と今後の課題
    4. 行政訴訟や公害審査会調停は運動に役立つか
      1. 公害調停の効果と問題点
      2. 道路事業取消を求める行政訴訟と公害審査会への調停申請
      3. 道路建設阻止のための住民訴訟と民事訴訟
    5. 脱硝装置の設置を求めて
    6. 運動で計画の凍結、変更をかちとった
      1. 30年間凍結をかちとってきた東京外郭環状道路
      2. 高速川崎縦貫道―市は二期計画を「保留事業」に
      3. 大橋ジャンクション計画の都市計画変更をかちとる
      4. 和光富士見バイパスを凍結・見直しへ
      5. アセス後の名古屋環状2号線の運動
      6. 長崎県諫早北バイパス(国道34号)の運動
      7. 第二京阪道路の運動
  • 第3章 自然環境や住環境をまもる闘い―トラスト運動や鳥たちの「生存権」主張
    1. 高尾山をまもるトラスト運動
    2. オオタカが圏央道工事に“待った”
    3. オオタカと第二東名建設計画
    4. オオヒシクイを原告に―絶滅から守るために
    5. 道路建設阻止のための「地権者トラストの会」の設立と活動
    6. 土地収用をゆるさないトラスト運動
    7. 小さな土地で大きなトラスト運動
  • 第4章 これからの「みち」―まちづくりと公共交通への提言
    1. 歴史都市・京都を守るまちづくりと交通
    2. まちづくりと都市計画道路のありかた
    3. 人と環境にやさしい公共交通への提案
    4. 長崎市の路面電車83年のあゆみ
    5. 鎌倉市・東京都のTDM(交通需要管理施策)の試み
  • 第5章 交流を深め運動を高めた全国交流集会(第11回~第24回の記録)

『道路の上に緑地ができた』

表紙写真『道路の上に緑地ができた』

全国各地の道路公害反対運動のとりくみを紹介し今後の課題を展望する。

  • 道路公害反対運動全国連絡会編
  • 文理閣 (1985年11月)
  • 本体価格1,700円
  • ISBN 4-89259-096-7

目次

  • 記念出版にあたって
  • 第1章 道路公害はごめんだ
    1. 手をつなぐ道路公害反対運動
    2. 新しいまちづくり
    3. 力たくわえる道路公害との闘い
    4. 国の道路行政を転換させよう
    5. 地方から住民運動のうねりを
    6. 科学の武器をきたえて
    7. 運動の輪はひろがる
    8. 軍事費を削って道路公害をなくせ
    9. 道路公害をなくして道路文化を創造しよう
    10. 枝ぶりのいい街を人生を
  • 第2章 道路公害と健康破壊
    1. 大気汚染と道路公害
    2. 浮遊粒子状物質による大気汚染
    3. 大気汚染による健康障害
    4. NO2環境基準値改悪その後
  • 第3章 国道43号線道路公害を訴える(兵庫)
    1. 道路公害裁判に立ちあがる
    2. 住民の手で測定し実態をつかむ
    3. 沿線対策と「沿道法」について
    4. 私たちの要求
    5. まとめにかえて
  • 第4章 西名阪香芝高架橋による超・低周波公害(奈良)
    1. 深刻な人体被害
    2. 被害住民の救済をめざすたたかい
    3. 問題解決の課題
    4. 道路公害反対運動の発展
  • 東京都環境影響評価条例(東京)
    1. 美濃部条例案が撤回されるまで
    2. 条例の成立をめぐる経緯
    3. 条例の内容と問題点
    4. 条例施行上の問題点
    5. 条例適用事例にみる諸問題
  • 第6章 名古屋市環状2号線と環境アセスメント(愛知)
    1. 市長の審査書
    2. 地方自治を踏みにじる建設省のやりかた
    3. 国に後追いする県
    4. 環2構想の何が変わったか
  • 第7章 住民参加と公正な環境アセスメント(大阪)
    1. 環境行政の後退
    2. 不当な都市計画決定
    3. 環境アセスメント
    4. 枚方市で実施されたアセスメント
  • 第8章 名古屋都市高速道路の赤字問題(愛知)
    1. 主な経緯
    2. 赤字の現状
    3. 赤字の原因は?
    4. 事業の遅れと赤字問題
    5. 提言
  • 第9章 公害審査会と大阪の住民運動(大阪)
    1. 公害審査会と住民運動
    2. 道路公害調停の実例
  • 第10章 田無2・2・4道路裁判(東京)
    1. なぜ裁判を始めたのか
    2. 訴訟にいたる経過
    3. 事実審理の経過と争点
    4. 住民運動の展望と課題
  • 第11章 情報区から緑道づくりまで(大阪)
    1. 情報公開制度をめざして
    2. 緑道づくり
  • 第12章 道路の上に公園と林ができた(千葉)
    1. 常磐自動車道と流山市
    2. 大変だ、住宅地の真中を高速道路が通る!!
    3. 日本道路公団の攻撃は全部失敗
    4. ついに実現した地下道方式の道路構造
    5. 体験的住民運動のすすめ
  • 私も一言

不要・不急な公共事業2011年度予算を震災復興費へ丸ごとシフトしてください

  • 菅 直人  内閣総理大臣
  • 五百旗頭 真  東日本大震災復興構想会議議長

3月11日の東日本大震災は、大地震・巨大津波・レベル7の原発事故が重なり、未曾有の大惨事となりました。とりわけ福島原発の危機は、全く持続可能でない私たちの社会を象徴しており、今までの日本社会のあり方に根底からの見直しを迫っています。

私たちは、被災した方々の生活再建について、市民として連帯と協力の意思を表明するとともに、国会と内閣が生活再建を最優先とした政策・事業を採用すべきだと考えます。

不要・不急な公共事業の2011年度予算約二兆四千億円は、復興財源としてシフトすべきです。その理由は、次のとおりです。

(1) 「もんじゅ」等の原子力発電開発関係事業はすべて凍結のうえ、早急に廃止に向けて政策変更をしなければならない。

(2) 原子力開発・道路整備・港湾整備・空港整備・新幹線・農業農村整備・林野公共・ダム事業等はいずれも自然生態系の破壊に繋がる恐れがある。生物多様性条約会議のホスト国である日本政府には、昨年議決された「愛知ターゲット」を守ることが求められており、これらの事業の執行は慎重でなければならない。

(3)原子力開発・道路整備・港湾整備・空港整備・新幹線・農業農村整備・林野公共・ダム事業等は急を要する事業ではないうえに、そのほとんどは計画から完成まで数十年かかる事業であるため、事業期間延長の影響が小さい。

(4)予算執行に係る技官や事業者、資材も、被災地のインフラ復旧へシフトできる。

(5)ダム事業はそもそも見直し中であるため、予算シフトの影響が最小限に抑えられる。

一方で、ダム等の不要・不急な公共事業への予算のシフトすらなされないまま、大量の国債を発行したり、増税を行ったり、国民生活に直結する予算を削減したりすることは、決して認められません。

私たちは、国民の代表たる国会と内閣の主導によって、不要・不急な公共事業2011年度予算約二兆四千億円を震災復興費へ丸ごとシフトさせることを、強く求めます。

2011年6月20日

  • 全国自然保護連合
  • 道路住民運動全国連絡会
  • ラムサール・ネットワーク日本
  • 水源開発問題全国連絡会

「不要・不急な公共事業2011年度予算を震災復興へ」集会の順延について

緊急お知らせ「6月20日に予定していた2つの集会を順延します」

6月20日に開催を予定していた2つの集会(「ダム事業検証検討の実態報告会」と「不要・不急な公共事業2011年度予算を震災復興へ」)と要請行動を順延することにいたしました。
突然の日程変更で皆様には大変なご迷惑をおかけすることになりました。まことに申し訳ございません。
理由は次のとおりです。

  • 日本学術会議 土木工学・建築学委員会 河川流出モデル・基本高水評価検討等科会 最終会が20日午前11時から、と設定されました。
    この分科会は八ッ場ダム事業の治水上の根拠となっている基本高水流量に多くの疑義が出され、馬淵澄夫前・国交大臣が学術的な検証が必要と判断して、その検証を日本学術会議に依頼したものです。
    水源連事務局関係者はこの会議を傍聴し、必要に応じて意見書の提出を行ってきました。
    この分科会は残念ながら、科学的な判断がされず、国交省の数字を再び容認する方向になりましたが、水源連事務局は20日に開催される同分科会に意見書を提出し、最後の分科会を監視しなければなりません。
     このような次第で、20日の午前中は集会開催が無理になりました。
  • 午前の部の集会と午後の部への集会、省庁・政党への要請行動はセットになっていますので、20日の行動はすべて順延せざるをえなくなりました。
  • 国会がきわめて不透明なため、国会議員が集まりにくい状況になっています。

集会の開催日程

国会の会期延長期間が決定した時点で、開催日程を決めます。
皆様に大変なご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんが、集会の順延を皆様の周りの方にお伝えくださるよう、お願いいたします。
新たな日程が決まり次第、皆様にお知らせいたしますので、そのときはよろしくお願い申し上げます。

「不要・不急な公共事業2011年度予算を震災復興へ」集会

※本集会は6月20日に予定されていた日程を変更したものです(日程変更について)。

日程:2011年7月20日(水)

集会:14時40分~ 衆議院第2議員会館(地下1階会議室)

要請行動:16時40分~ 省庁要請(国交省、経産省、財務省)、政党要請

案内チラシ(951.8KB)

3月11日の東日本大地震は、超大規模の災害を引き起こしました。被災地の救援・再建が急がれています。現地の破壊された暮らしを立て直すには、財源・機材・人の力が必要です。しかし、それらは被災地にはありません。国は、無駄な事業費、緊急性を要しない事業費をすべて洗い出し、不要・不急な公共事業の予算・機材・人力を震災復興に転用すべきです。
「2011年度のダム予算2400億円を震災復興に」(4月26日集会)にひきつづき、公共事業全般を対象とした見直しを行い、震災復興の財源・機材・人力を確保するよう政府・政党に要請していきます。7月20日の集会に結集しましょう。

※関連行事:13時から同場所(衆議院第2議員会館地下1階会議室)で、水源連による「ダム事業検証検討の実態報告会」の開催を予定しています。

主催:「不要・不急な公共事業2011年度予算を震災復興へ」集会実行委員会

要請書

  • 内閣総理大臣 菅直人殿

4月1日、国土交通省が発表した平成23年度道路事業の予算額は1兆4536億円で昨年度の予算規模を踏襲していることに、私たちはたいへん驚いています。東日本大震災や福島第一原子力発電所事故が発生し、今後、国と地方を合わせて30兆円を超える災害復興費を捻出しなければならない時に、昨年と同規模の道路予算を組むなど全く信じられません。

直ちに、平成23年度の道路予算を全面的に見直し、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故による被害者救援と被害地復興のために、これらの道路予算を振り向けるよう要請します。

道路住民運動全国連絡会は、これまでも自然環境や住環境、文化遺産を破壊する高規格幹線道路や地域高規格道路、さらに都市計画道路の中止を求めてきました。現在進められている道路建設の大部分は、東日本大震災や原発事故の救援や復興に較べれば、いずれも不要不急の事業と言わざるを得ません。今こそ政治が大きな判断をしなければならない時です。

平成23年度の道路予算の執行を止めて、予算の全面的見直しと、大震災などの復興のために貴重な国民の税金を使われるよう強く要請します。

2011年4月26日

  • 道路住民運動全国連絡会