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第38回全国交流集会アピール

私たち道路住民運動全国連絡会は、11月24日から26日までの3日間をここ被爆地広島において第38回『全国交流集会 In ヒロシマ』を開催しました。

本集会は核兵器廃絶・世界平和を訴え続ける平和都市ヒロシマにふさわしく『くらしを結び、まちを結び、心を結ぶ』をテーマに全国各地(関東・東海・近畿・中国・九州)から32団体120名が参加しました。

24日(第1日目)は“悪名高き”広島高速1号線『福木トンネル』地盤沈下現場(広島市東区)や、今月28日にも広島高裁で結審が予想される『国道2号線高架延伸差止め訴訟』(広島市中区)の現地視察バスツアー、特別番組『映像で見る広島のたたかい』の上映。そして広島市域3団体の現地報告が行われました。さらに恒例となった夜の懇親会は新旧さまざまな仲間が交歓と親睦を深めました。

25日(第2日目)は道路全国連橋本良仁事務局長から「高速道路はもういらない」の基調報告。鞆の自然と環境を守る会鈴木辰夫代表・同高橋善信事務局長の『鞆の浦埋立架橋反対運動』特別報告に続き、関島保雄高尾山天狗裁判弁護団事務局長が『高尾山天狗裁判から見えてきたもの』と題した記念講演で圏央道(首都圏中央連絡自動車道)建設に関わる諸問題を解明しました。

昼休憩には会場敷地内の被爆建物『旧袋町國民學校』見学ツアーに参加し他都府県の参加者は今から67年前の“被爆の一瞬”を追体験しました。

午後は山口(岩国)・東京・千葉・神奈川・愛知・大阪・福岡・広島から8団体がそのたたかいの報告と質疑・討論を重ね、本集会の内容を豊かなものにしたことも特筆されます。

26日(第3日目)は広島県・広島市が今月末にも広島高速5号線二葉山トンネル建設工事着工の可否を決定するため、急遽、本集会名で広島県・広島市・広島高速道路公社に対し要請代表団を派遣します。

私たちは日本国憲法の定めるところにより政治的自由・社会的自由・市民的自由を保証されており、国民の1人として安心・安全な日常生活を営む権利を有しています。

この間、公共工事の名のもとに繰り返される全国各地の道路建設とその影響は、多くの人たちに深刻かつ重大な健康被害と権利侵害を引き起こしています。

しかし、私たちはいかなる理由があろうとも、これらによる権利侵害と生活破壊を許しません。私たちの運動とその歴史は公害軽減に寄与し、無駄な公共工事を中止させ、国民の苦難を抑止する力になるものと確信しています。

衆議院が解散され、総選挙を目前にした情勢の中で開かれた本集会では、私たちひとり一人が、自らの目的を達成させるため『主権者』『納税者』『有権者』として積極的に行動しなくてはならないことを再確認しました。

特に、道路問題は国政の重要課題であり、今般は東日本大震災後を口実とした「防災・減災」目的での公共事業バラマキを許さないことも大きな焦点になります。選挙では環境破壊・大気汚染・騒音被害・健康破壊・地盤災害等から国民を守る政治勢力を大きく前進させる絶好のチャンスです。

また、原爆遺跡保存運動懇談会の協力を得て催行する『被爆建物見学ツアー』は核戦争の悲惨さを実感し核兵器No!戦争No!の願いと世界平和実現への想いを共有する機会となるでしょう。

道路全国連は広範な市民と連携・連帯し『くるま依存社会からの転換を』をスローガンに、ここヒロシマでの成果と教訓にも学び、さらに団結を強め勇躍前進することをここに宣言します。

2012年11月25日

  • 第38回道路住民運動全国連絡会『全国交流集会 In ヒロシマ』参加者一同

東京外かく環状道路の都市計画事業承認への異議申し立て口頭意見陳述|橋本良仁(道路全国連事務局長)

2016年9月27・28・30日、東京外かく環状道路の都市計画事業承認への異議申し立てについての口頭意見陳述が行われ、9名が意見陳述を行いました。そのうち9月28日、道路全国連事務局長・橋本良仁による意見陳述の原稿を掲載します。

2016年9月28日

  • 道路住民運動全国連絡会 橋本良仁

はじめに

東京都八王子市高尾町1989-5の橋本良仁です。2014年3月28日付で国土交通大臣が行った、国土交通省告示第395号により告示された都市計画法第59条第3項および第4項の規定により、都市計画事業の承認及び認可をした処分に対する異議申し立てに関して、行政不服審査法第25条第1項ただし書きに基づき、申立人である「世田谷区在住の某さんの代理人として意見を述べます。

私が、道路問題に取り組んだきっかけは、国定公園・高尾山をトンネルで穿つ首都圏中央連絡自動車道の東京都内部分22.5キロメートルの建設計画問題でした。今から32年前のことですが、それ以来、道路をはじめ全国の公共事業問題と関わっています。

現在、私は道路関係住民団体の全国組織である道路住民運動全国連絡会の事務局長の任にあり、2013年からは、ダムや道路をはじめ、干潟の干拓事業、スーパー堤防、リニア中央新幹線、さらに沖縄の基地建設など全国の大型公共事業問題に取り組む住民や市民団体、ジャーナリスト、弁護士などが共同して設立した公共事業改革市民会議の代表も務めています。そのような立場にあるため、これまで重要法案審議の際は、参考人として国会の国土交通委員会や地方公聴会などにも出席して意見を述べてきました。

本日開催している東京外環道の都市計画の異議申し立てにともなう意見陳述をはじめとした公共事業に関連する行政手続きは、国民の世論や40年以上にわたる先輩や私たちの住民運動団体や市民団体の活動や行政に対する提言によって制度化されたものがほとんどです。これらの制度は、公共事業の透明性や公正性の確保、国民や関係住民との合意形成を目的としていますが、制度はできても行政の姿勢はこれまでとあまりかわりません。制度化された各段階の手続きを通過さえさせればそれでよしとする行政の姿勢に怒りさえおぼえます。制度はできても、その実はともなわない、「仏を作って魂を入れず」の状況がいまだに続いています。

国会や自治体の議会、さらに事業計画の公述などの機会に必ずお話しすることがあります。この陳述に職務として出席されている職員の皆さんに、ぜひお話ししたいことがあります。医者や弁護士や裁判官や学者やジャーナリストなどの専門職に方はそれぞれがその専門性をもって、そして皆さんは国家公務員として、己の信じるところにしたがって誠実に職務に向き合っていただきたいということです。本日の東京外環道の沿線住民の意見陳述に立ち会うという貴重な機会を大切にしていただきたいと思います。重な機会を大切にしていただきたいと思います。

ある省庁のキャリア官僚ですが、管理職に就くとき前任者から次のような申し送りがあったと話してくれました。「情報は可能な限り隠し、隠しきれない場合はだまして逃げろ、逃げ切れないときは嘘をつけ」と。

30年におよぶ私の経験からいっても、さもありなんと思う次第です。

東京外環道の経緯

改めて、東京外環道の歴史的経緯について述べたいと思います。

外環道の都市計画決定は1966年ですが旧法のもとでの都市計画決定だったため、沿線住民への説明はほとんど行われませんでした。沿線住民は大きな建設反対運動を展開し、関係自治体も建設に反対したため、1970年10月、当時の根本建設大臣が凍結を言明することになりました。その後、東京外環道建設は36年間凍結されたのです。しかし、1999年、東京都知事に就任した石原慎太郎氏は東京の3本の環状高速道路(中央環状、東京外環道、圏央道)の建設促進を表明します。石原知事こそ、凍結状態の東京外環道をフリーザーから取り出した張本人だといえます。

1999年6月、朝日新聞社の招待で沿線の住民団体代表3名がパリを視察します。この視察には、国や東京都の関係者も参加していました。その年の10月、朝日新聞社の主催で「東京・パリ都市交通シンポジウム」が開催され、住民団体の代表2名がパネリストになりました。このような経緯の中で、2002年6月から関係住民との合意形成を謳い文句にPI外環沿線協議会が開催されますが、2007年12月の国幹会議で地上部の建設は中止して大深度地下方式による基本計画が承認され、現在に至っています。

沿線住民と関係自治体の反対で37年間ものあいだ建設が凍結されていた東京外環道を何が何でも建設したい、そう考えた国や東京都、そして石原知事らはその打開策を練ったのではないかと思います。国民との合意形成努力をしているフランスのパブリックインボルブメント(PI)の制度に見習って、PIの誠実な実行を担保に沿線住民らを説得したのです。東京外環道の建設中止も選択肢の一つといった謳い文句で始められたPI沿線協議会ですが、沿線住民との合意形成は不十分なまま、強引に建設にこぎつけられてしまいました。

フランスのPIとは

国土交通省がお手本にしたというフランスのPIとは一体どんなものなのか、ここで紹介します。東京外環道で行われたPIと、その内容や合意形成を行う精神が全く違います。

昨年末、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)に、NGOの一員として参加するためフランスを訪問しました。滞在期間中、パリ郊外にある人口数万人のバニュー市の女性市長と懇談することができました。その中で、私は、高尾山で繰り広げられた大規模な公共事業である圏央道建設問題を例に、日本の公共事業の実情を紹介しました。「日本では国や自治体が一方的に進める大型公共事業によって貴重な自然が壊されたり、多くの住民が土地を奪われたりします。裁判を提起してもなかなか解決せず、どんなに反対しても最後は国によって土地や私有財産が強制的に取り上げられます」と紹介しますと、市長は驚いた表情でこう言いました。一員として参加するためフランスを訪問しました。滞在期間中、パリ郊外にある人口数万人のバニュー市の女性市長と懇談することができました。その中で、私は、高尾山で繰り広げられた大規模な公共事業である圏央道建設問題を例に、日本の公共事業の実情を紹介しました。「日本では国や自治体が一方的に進める大型公共事業によって貴重な自然が壊されたり、多くの住民が土地を奪われたりします。裁判を提起してもなかなか解決せず、どんなに反対しても最後は国によって土地や私有財産が強制的に取り上げられます」と紹介しますと、市長は驚いた表情でこう言いました。

「フランスでは、そのようなことはありえませんし、想像することもできません。バニュー市の都市計画事業は40年もの時間がかかりましたが、工事が始まったところです。この事業はパリからの地下鉄路線を郊外のバニュー市まで延伸させるとともに環境先進自治体としての街づくりを進めるものです。この事業は多額な予算が必要なのでその予算的措置を国に求めてきました。この計画は、大多数の市民の要望でしたが、それでも100%というわけではなく、事業に反対という主張の市民も、少数ですがおられました。

都市計画を進めるに当たり、私たちが心掛けたのは市民の声に丁寧に耳を傾けることでした。この事業計画の作成は市民と同じテーブルで話し合って何度も何度も計画を立案し変更しながら練り上げたものです。最終的な事業計画案について、何とか全ての市民との合意を得ることができて、建設にこぎつけることができました。何度も説明の機会を設けましたが、説明会になかなか足を運べない、また運びたがらない市民もいました。そうした市民にはクリスマス会などといった誰でも集まりやすいイベントの機会を利用して、少しづつ都市計画の内容をお伝えし理解が得られるようにしてきました。市民の合意なしでどうして計画を進めることができるでしょうか。バニュー市の主権者は市民です」。そして、市長は最後にこう言いました。「急がばまわれです。市民の合意が得られれば、都市計画事業はスムーズに進み、経費も安く上がります」と彼女は胸を張りました。日本の現状とは隔絶の感がありますが、かってフランスも現在の日本と同じように、国民はお上のやり方に従えといった上意下達のシステムでした。現在のフランスの合意形成制度(PI)は、国民の長い運動の中で勝ち取られた制度であり、日本のPIとは似て非なるものです。

全国どこでも住環境・自然環境の破壊

国土交通省は、道路事業を進めるに当たり、関係住民との合意形成の大切さを唱えますが、道路建設先にありきがその実態です。圏央道は国史跡八王子城跡と国定公園高尾山を直径10メートルのトンネルで串刺しにする環境破壊の道路として、28年におよぶ反対運動と12年間の裁判が行われました。

  • 運動や裁判の中で見えてきたこと
    • 担当課長を証人尋問
    • 国のB/C比を採用せず(住民側の主張も採用しなかった)
    • 会計検査院による国交省への勧告

八王子城跡の滝枯れや高尾山のトンネル工事による地下水低下、湧水の枯渇、オオタカの営巣放棄などの自然破壊、ジャンクションや高架による景観破壊について、司法はその事実を認定しました。

シールドマシンによる先進導孔の止水工法(地盤凝固剤の注入)+ナトム工法による拡幅工事によっても環境破壊を防ぐことはできなかった。

東京外環道の大深度地下工事は、これまで経験したことがない。技術的にも難しく、どれほどの費用を要するか、そして何よりも沿線住民の住環境や地下水などの自然破壊が心配される。破砕帯や固い岩盤を掘った八王子城跡や高尾山トンネルと比較すると東京外環道の地層は安定しているが、どんな工法によっても地下水や地上部に影響を与えない工事は不可能である。

全国の道路問題の事例紹介

国道43号線の沿線公害(最高裁で住民勝訴確定、遠藤騒音基準を改悪、幹線道路沿道基準など、広島国道2号線訴訟、湖西道路などの騒音被害、東九州自動車道のミカン農家の強制収用、名古屋第二環状(家屋被害)の事例、大深度トンネル工事などの外環道もしかり

道路を造らなくても渋滞はなくせる

1980年代、欧州の大都市は車の渋滞に悩んだ。イギリスはロンドン市内の渋滞緩和のため8車線の環状道路M25を整備したが、渋滞解消どころかM25が渋滞する結果になった。ブレア首相の率いるイギリス政府は、この原因を徹底的に調査しグリーンレポートという報告書にまとめた。その結論は、道路をつくれば便利になる、車利用が増大し、渋滞は減少するどころかますます増大する。ロンドンの渋滞を緩和するためには自動車の利用を抑制することだった。

東京都の環境白書(石原知事)はグリーンレポートを高く評価したが…。

イギリスは1998年に都市政策を大転換し、ロンドンの市内に流入する車に8ポンドを課税しました。結果、渋滞は大きく減少します。ヨーロッパの他の環境先進国である、オランダ、ドイツ、フランス、デンマーク、ノルウエーなどでも鉄道、バス、路面電車などの公共交通を充実させ、徒歩や自転車利用を進めています。を進めています。

このような交通政策は、排ガスによる大気汚染公害や地球温暖化防止にも効果をあげています。車に依存しない、徒歩や自転車の利用は、健康をはかり医療費の抑制にもつながります。多額な税金をつかって道路を造らなくても渋滞解消は可能であることの具体的な事例です。東京の環状高速道路や道路ネットワークを整備することで車の渋滞をなくそうという考え方は古い20世紀型のパラダイムであり、東京外環道や圏央道建設にたよる交通政策は、まさに時代遅れと言わざるをえません。

東京では、これまでどんなに道路を造っても車は増え続け、渋滞は解消されません。東京外環道や圏央道は1970年代に計画され、第四次全国総合開発計画で閣議決定された右肩上がりの経済成長のもとで可能なものであり、バブル経済の遺物です。少子高齢化社会に向かい、将来交通需要も大幅減少という現在、建設中止を視野に入れた検討が必要です。平成17年交通センサスによる将来交通需要は平成22年センサスを適用すべきです。

外環道建設で儲けるゼネコン

外環道路は当初予算の発表から7年目には事業費が3155億円増え1兆5979億円となりました。大手ゼネコンの4社を中心に工事金額の9割以上を受注しています。

国や中日本高速道路や東日本高速道路が発注した主な工事は約40件あって、契約総額は約6700億円で、その9割以上の約6373億円を鹿島建設、大成建設、大林組、清水建設の大手ゼネコン4社が共同企業体(JV)の幹事社として受注しています。工事規模が最大の本線トンネルの4工事も、この4社が幹事社として高値で受注し、落札額は約5315億円にのぼっています。大手4社の2016年3月期の決算では過去最高利益を更新しています。日本建設業連合会の中村会長(鹿島建設会長)は、定時総会で、「アベノミクス政策が功を奏し、建設業界は20年の低迷から脱することができた」と述べているほどです。まさに、政界が旧態依然とした旧来型の大型公共事業を重厚長大産業のために行っているのではないでしょうか。

負担を押し付けられる沿線住民はたまったものではありません。行政による東京外環道の説明は何度聞いても住民の目線から大きくかけ離れていると言わざるをえません。

オーフス条約、フランスの自治体訪問経験、先人の教え

圏央道もそうでしたが、どこの道路事業もある日突然、終の棲家である自宅の上に道路のルートが引かれます。やむをえず、住民は立ち上がるというのが実態です。誰一人好んで道路建設の反対運動に関わったのではありません。道路全国連の役員には、50年以上も活動を続けている人もいます。

オーフス条約の紹介

第1回国連人間環境会議で採択された「人間環境宣言」を受け、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた環境と開発に関する国際連合会議(リオ会議)では、環境と開発に関する「リオ宣言」が、気候変動枠組条約や生物多様性条約などとともに国際的合意がなされました。

リオ宣言の第10原則は市民参加条項であり、「環境問題はすべての望む市民が参加し、公的機関の環境に関する情報を入手し、意思決定に参加する機会、また、司法的・行政的な手続きに参加する機会が与えられなければならない」という趣旨のことが記されています。
この理念を実現するため、1988年にデンマークのオーフスという町で開かれた国連欧州経済委員会において、「オーフス条約」という国際条約が採択されました。この条約は日本ではあまり知られていません。私もわずか4年前に知りました。

オーフス条約は、「1.環境に関する情報へのアクセス、2.意思決定における市民の参画、3.司法へのアクセス(訴訟の権利)」、この3つを市民の重要な権利として位置づけることを行政に求めています。イギリスやフランスをはじめ46か国とEUが加盟しており、加盟国はこれによって国民と対話を図り、求められた情報は何でも開示しなければなりません。日本は批准していませんし、環境省はこのような国際条約があることを知らせようとはしません。

終わりに

陳述の終わりに、熊本県阿蘇郡小国町の北、大分県との県境で建設が強行された、下筌ダムの住民のリーダーの戒めを紹介したいと思います。ダムで湖底に沈む住民達は「墳墓の地を守れ」と立ち上がり、強大な国家権力を相手に堂々の戦いを挑みました。世に有名な「蜂の巣城」の攻防です。その顛末はまさに大型公共事業に対する住民の戦いの原点です。有能な指導者だった室原知幸さんの「公共事業は法にかない、理にかない、情にかなわなければならない」の戒めは、公共事業を進めるうえで、大きな示唆となります。

 

以上、私の希望を含めて陳述しましたが、2014年3月28日付で国土交通大臣が行った、国土交通省告示第395号により告示された都市計画法第59条第3項および第4項の規定により、都市計画事業の承認及び認可をした処分の取り消しを求めます。

国分寺都市計画道路3-2-8号線事業認可取消事件訴訟終結にあたっての声明

2015年6月6日

1 本件訴訟と不当判決

国分寺都市計画道路3・2・8号府中所沢線(本件道路)の建設事業について、建設予定地の地権者を含む住民ら22名は、2007年12月25日、国土交通省関東地方整備局長の行った認可(07年11月)は違法であるとして、その取消を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。この訴訟は、2011年3月29日の東京地裁判決、2012年10月31日の東京高裁判決、そして、本年4月14日の最高裁決定により、いずれも住民の取消請求を認めない不当な判断が出され、訴訟手続は終結することとなった。

2 私たちが訴え明らかにしてきた問題点

本件道路は、国分寺市内のほぼ中央、住宅密集地のなかを、多くの居住用建物や一部畑地などの緑地をも撤去して、幅36m、長さ2.5㎞にわたって貫く道路を建設しようとするものである。

私たちは、提起した訴訟を通じて、本件道路建設の必要性は、認めることはできないものであり、計画そのものが不合理で取り消されるべきものであることを訴え続けてきた。

本件道路は昭和18年に計画されたものである。道路予定地及び周辺では昭和40年前後から急速な住宅化が進められたが、他方で、今日では人口減少により交通需要が減少していくことが明確となっているなど事情は大きく変更している。にもかかわらず、戦前に立てられた計画をさらに拡張して、250世帯約800人もの立ち退かせ540億円もかけて建設しようとするのが本件道路建設計画である。本件道路が必要性のない無駄な公共事業であること明らかである。

しかも、本件道路が建設されることにより多数の住民の居住の権利が奪われ、コミュニティが分断されるのみならず、騒音や振動、大気汚染など道路公害を激化させ、周辺住民に多大な被害をもたらすものである。

ところが、この計画に関しては住民参加の機会も与えられず、住民の求める建設計画の見直しも検討されずに、一方的に決定され強行されようとしているのである。

本件道路建設には、このように重大な問題が存在することが明確になっているにもかからず、それらを無視し検討もせずして事業計画を決定し、さらには本件道路建設の事業を認可したのである。この事業認可が違法であり、取り消されるべきことは明白である。わたしたちは、これらの問題を訴訟手続を通じて訴え、様々な資料や証拠により事実を持って明らかにするとともに、地域の諸団体と共同でシンポジウムなどに取り組み、環境悪化や健康への重大な影響など広く市民にも問題提起してきた。

3 裁判所の不当な判断と今後の課題

ところが、裁判所は、行政の裁量を広く認め、東京都や国側の主張を鵜呑みにし、住民の指摘した重大な問題に目をつむり、不当にも住民の取消請求を退けた。しかも、事業認可時点で、人口減少のデータが公的に明らかにされていなかったとか、PM2.5について環境基準化されていなかったなどとして、これらを行政が検討しなかったことを正当化したのである。裁判所は、人権の砦であるべき司法の役割を果していないといわざるを得ないものであり、このような裁判所の姿勢は根本的にあらためられなければならないものである。

他方、私たちが指摘した様々な問題は、裁判所の判断に関わらず、本件道路建設がすすめられるなかで現実化しつつある。本件道路の延長が予定されている小平道路建設計画に対しても事業認可の取消を求める訴訟も取り組まれている。

 

私たちは、道路問題に対する各地の運動、環境を守るたたかいを進めている全国のみなさんとも連携し、本件道路建設による環境破壊を許さず、住みよいまちづくりをすすめるために、取り組みを進めていくものである。

  • 国分寺都市計画道路3・2・8号線事件訴訟団
  • 国分寺都市計画道路3・2・8号線事件弁護団

第37回全国交流集会アピール

第37回道路全国連・全国交流集会は40団体、103人が参加して、外環道路への建設反対運動が40年を迎えた千葉県市川市で11月5日、6日の2日にわたり開催された。

ムダで有害な公共事業は一昨年の政権交代後も一向に止らず、多くの国民に失望を与えている。公共事業費の中でも道路建設のための事業費は突出しており、住民を無視して進められる環境破壊の道路建設をストップさせることは急務である。

3月11日に起きた東日本大震災は東北地方を中心に東日本各地に甚大で深刻な被害をもたらした。国はそうした被害地域の住民を助け、1日も早い復旧、復興のためにこそ予算を振り向けるべきであったのに、今年度の当初予算における道路事業費は1兆4,536億円で昨年度とほぼ同じ規模であった。特に圏央道や外環道など大都市圏環状道路の事業費は大きく、この二つの道路だけで約1,200億円もの予算が計上されていた。これは津波で流された鉄道や地震で寸断されている生活道路の全てを復旧させるために必要な予算を上回る規模である。国土交通省は当初、公共事業予算の5%を震災復興費捻出に備えるためとして執行を保留にしてきたが、10月7日、それさえも解除してしまい、さらに災害対策を名目に高速道路建設を一層進めようとしている。国がこうした予算の立て方を改めずに、震災復興を名目に新たな税負担を国民に求めることは許されない。

福島第一原子力発電所の原子炉事故は政・官・業・学・報(メディア)がつくり上げてきた「安全神話」を一挙に崩壊させた。私達は道路建設をはじめとする公共事業の中に原発と同じ政・官・業・学・報一体の「安全神話」の形成と住民への押しつけを見て来た。建設を前提とし、道路建設の影響を故意に低く評価する環境アセスメントや道路建設の効果を過大に評価する事業評価などである。また必要な情報を国民に隠す手法や公聴会や説明会で行政が音頭を取って情報操作をしてきたことも原発と同じ構図である。さらに言えばこうした行政のあり方をチェックし、その暴走を止める司法がその役割を果たして来なかったことも厳しく追及しなければならない。

自動車排出ガスと学童の喘息発症との因果関係が大気汚染被害者の粘り強い運動の結果、環境省のSORAプロジェクト(自動車排出ガスと呼吸器疾患との関連についての研究調査)でも明確な形で証明された。これによって自動車排出ガスの影響で苦しむ全国の公害被害者の国による救済は急務となった。また道路建設によって自動車排出ガスが新たな健康被害者を生まないよう、安全側にシフトした環境アセスメント制度を確立し、新規はもとより建設中の道路についても建設を中断しアセスをやり直すことが必要である。

今回の集会では公共事業の現状を分析し、その抜本的な改革に向けて日弁連が提案する「公共事業改革基本法(試案)」について高尾山天狗裁判弁護団長・鈴木堯博弁護士が特別報告し参加者で議論した。試案の目的は公共事業における徹底した情報公開と市民参加の保障そして客観的で科学的・合理的な評価システムの確立である。私達はこの提案に大いに勇気づけられた。

福島第一原子力発電所事故という災禍を機に公共事業のあり方が改めて問われている。私達はまちづくりや自然保護の運動そして子ども達の健康を守りたいと願う人々と連帯しムダで有害な道路建設を止めさせ、自然と調和した真に豊かな社会を構築するため、今後も粘り強く運動を続けていく。

2011年11月6日

  • 第37回道路全国連・全国交流集会参加者一同

不要・不急な公共事業2011年度予算を震災復興費へ丸ごとシフトしてください

  • 菅 直人  内閣総理大臣
  • 五百旗頭 真  東日本大震災復興構想会議議長

3月11日の東日本大震災は、大地震・巨大津波・レベル7の原発事故が重なり、未曾有の大惨事となりました。とりわけ福島原発の危機は、全く持続可能でない私たちの社会を象徴しており、今までの日本社会のあり方に根底からの見直しを迫っています。

私たちは、被災した方々の生活再建について、市民として連帯と協力の意思を表明するとともに、国会と内閣が生活再建を最優先とした政策・事業を採用すべきだと考えます。

不要・不急な公共事業の2011年度予算約二兆四千億円は、復興財源としてシフトすべきです。その理由は、次のとおりです。

(1) 「もんじゅ」等の原子力発電開発関係事業はすべて凍結のうえ、早急に廃止に向けて政策変更をしなければならない。

(2) 原子力開発・道路整備・港湾整備・空港整備・新幹線・農業農村整備・林野公共・ダム事業等はいずれも自然生態系の破壊に繋がる恐れがある。生物多様性条約会議のホスト国である日本政府には、昨年議決された「愛知ターゲット」を守ることが求められており、これらの事業の執行は慎重でなければならない。

(3)原子力開発・道路整備・港湾整備・空港整備・新幹線・農業農村整備・林野公共・ダム事業等は急を要する事業ではないうえに、そのほとんどは計画から完成まで数十年かかる事業であるため、事業期間延長の影響が小さい。

(4)予算執行に係る技官や事業者、資材も、被災地のインフラ復旧へシフトできる。

(5)ダム事業はそもそも見直し中であるため、予算シフトの影響が最小限に抑えられる。

一方で、ダム等の不要・不急な公共事業への予算のシフトすらなされないまま、大量の国債を発行したり、増税を行ったり、国民生活に直結する予算を削減したりすることは、決して認められません。

私たちは、国民の代表たる国会と内閣の主導によって、不要・不急な公共事業2011年度予算約二兆四千億円を震災復興費へ丸ごとシフトさせることを、強く求めます。

2011年6月20日

  • 全国自然保護連合
  • 道路住民運動全国連絡会
  • ラムサール・ネットワーク日本
  • 水源開発問題全国連絡会

第30回全国交流集会 外環道路と第二湾岸道路に反対する特別決議

千葉大学医学部が千葉県内の小学生を対象に実施した喘息発症率調査は、交通量の多い幹線道路が通る地域にある学校での喘息発症率が、田園地域の学校に比べ有意に高いことを示している。中でも市川市は田園部である館山市と較べ、3.62倍もの発症率であることが明らかにされている。子供たちをいつまでもこうした大気汚染の環境に置き続けるならば、子供たちの健康を守るべき立場にある我々大人の責任が問われることになる。

外環道路計画は市川市と松戸市を12キロにわたって縦断する。湾岸道路、京葉道路、北千葉道路という三つの高速道路との間に巨大なジャンクションが計画されているほか、4ヵ所ものインターチェンジが学校や住宅の間近に造られる計画である。住民の立ち退きが2,000戸を超え、接続道路などを含めると2,700戸という数字に達する。これは全国でも例を見ない規模であり、まさに「まち破壊の道路」と言わなければならない。

今、国や道路公団は都心の渋滞緩和を理由にこの外環計画の推進を図っているが、この道路計画はもともと、埋め立てなど千葉県の湾岸開発に伴い、湾岸と内陸部を結ぶ物流対策として計画された大幹線道路であり、道路建設の目的は都心の渋滞緩和とは無縁である。

市川市と松戸市の住民は実に34年にもわたる粘り強い反対運動によってこの道路計画を阻止し、クロマツの残る町並みや、緑多い里山を守ってきた。この道路計画にはすでに5,000億円が投じられているが、事業遂行にはなお1兆円もの事業費が必要とされている。「なお1兆円もの費用をかけて公害をもたらす道路を造る必要があるか」と考えれば、計画路線内の用地買収が進んだことは何らこの計画を正当化する理由にはならない。しかも国、公団が取得した用地には貴重な遺跡や豊富な地下水、1万年を超える自然堆積物が存在することも明らかになっている。「これらを生かし外環のないまちづくりを進めるべきだ」とする住民の主張を我々は断固支持するものである。

一方、第二湾岸道路は干潟保全を求める幅広い市民の運動で、埋め立て計画が白紙撤回された三番瀬に計画されている。埋め立てが中止になっても巨大な高速道路が建設されれば三番瀬の自然は大きく傷められ、三番瀬の生態系が重大な影響を受けるだけでなく、道路からの排気ガスによって湾岸地域の大気汚染が一層進むことは目に見えている。千葉県は第二湾岸道路建設に固執する理由として既存の湾岸道路の交通量増加、特に外環が接続した場合の交通量増加をあげている。しかし実際の湾岸道路の交通量は近年、減少傾向を示しており、外環道路さえ建設しなければ第二湾岸道路を建設する理由はなくなる。千葉県が第二湾岸道路を必要としている説明は、クルマの交通量を抑制することなく、際限なく道路を造り続けていくことの愚かさを示すだけである。

三番瀬はシギやチドリなど、水鳥の日本最大級の飛来地であり、冬場には10万羽を超えるスズガモが見られる。一方、三番瀬の干潟は13万人分の浄化能力を持ち、東京湾の浄化にも役立っているし、東京湾に生息する魚類の稚魚が育つ場所として東京湾の漁業にとってなくてはならない場所でもある。このような三番瀬を早期にラムサール条約に登録し、恒久的に保全するためにも我々は第二湾岸道路計画の撤回を強く求め、ここに決議する。

2004年10月10日

  • 第30回道路公害反対運動全国交流集会

第30回全国交流集会アピール

第30回道路公害反対運動全国交流集会は「道路政策の転換を」というスローガンのもとに41団体、160名が参加し、千葉県市川市で開催された。

本年4月には圏央道あきる野の土地収用反対裁判で東京地裁は圏央道計画が住民に騒音と大気汚染による公害をもたらす恐れの高い道路計画であると断じ、「こうした瑕疵ある道路計画は違法であり、事業認定ならびに収用採決を取り消す」という画期的な判決を下した。国道43号線、西淀川、川崎、尼崎、名古屋、東京と続いてきた道路公害裁判は道路公害が住民に深刻な健康被害をもたらしている事実を明らかにし、道路管理者としての国、自治体、道路公団などの責任を断罪する判決が下っている。それにもかかわらず高速道路を中心とするクルマ優先、開発優先の大規模幹線道路建設は全国で進められている。あきる野判決はこうした国などの姿勢の違法性を厳しく指摘し、公害被害を未然にくい止めようとする司法の姿勢を示すものである。この意味であきる野判決は道路公害裁判の闘いの上に勝ち取った我々住民運動全体の勝利判決である。我々は今後この勝利判決を基礎に、あきる野裁判控訴審をはじめ、全国各地で展開されている公害道路阻止の闘いの勝利と東京大気汚染公害裁判の完全勝利をめざし、公害被害者の救済と道路公害・車公害の根絶を期するものである。

小泉内閣の進めてきた道路公団民営化は無駄で有害な高速道路を借金で造り続けるという従来の制度を改めることができなかったばかりか、高速道路を税金で建設するという道を開き、さらには破綻した公団の事業を地方自治体に押し付ける動きにさえなっている。政府が財政難を理由に福祉関係や医療の予算を減らすなか、また国民の7割が「これ以上高速道路は必要ない」と考えるようになっている今、このように高速道路建設の借金の付けを何重にも国民に負担させる政策は国民に到底受け入れられない。政府はこうした国民の意識に目を向けるべきである。

「一度始めたら止められない」と言われてきた公共事業もダムや埋め立てなどの分野では見直しが行われ、中止される事業も出てきている。この流れを道路事業の分野にも導かねばならない。戦後の経済復興を目的に作られた道路整備緊急措置法が経済大国となったとされる今もなお継続し、道路を造ることだけを目的とした税金や借金で高速道路を造れる制度を温存しているのは、ゼネコンを頂点とする土木産業と癒着した政治のゆがみを象徴するものである。地球温暖化やヒートアイランドの現象が年々進むなか、都市とその周辺の緑地や水辺を保全することは高速道路建設よりはるかに緊急性を有する。また迫り来る高齢化社会への対応こそが、多くの国民が望む緊急の課題である。

今日、都市再生、都心の渋滞緩和を理由に大都市周辺の環状方向の高速道路を建設しようとする動きが急である。しかしながらこうした道路の目的はネットワーク化により高速道路の機能を高め、クルマによる物流を盛んにすることにある。したがってこうした道路の建設は都市周辺交通のクルマへの依存性を一層強め、都心への自動車交通を増大させ渋滞を促進する。渋滞緩和のためには自動車交通の抑制こそが唯一の方策である。都心からクルマを締め出し、人間のまちを取り戻すとともに、安くて使いやすい公共交通を整備する努力が世界各地の都市で行われている。我が国においてもこうした施策への転換が急務である。

今や道路政策の転換は自然保護やまちづくりに取り組む住民運動、市民運動からも強く求められている。「道路は聖域」として行政の裁量にゆだねられている時代は終わった。道路についての情報は計画段階を含め、すべての段階で公開されるべきであり、道路そのものの必要性や環境への影響など道路計画がもたらすマイナスを含めた議論を通じ、道路計画に住民の意見が反映できる制度が必要である。我々はこうした制度の確立を国、自治体に対し強く求めるものである。

2004年10月10日

  • 第30回道路公害反対運動全国交流集会

第32回全国交流集会アピール

第32回道路公害反対運動全国交流集会は「道路行政の民主的転換を求めて」のスローガンのもと、東京で開かれました。集会には広島、兵庫、大阪、奈良、京都、愛知、神奈川、千葉、埼玉、東京より200名が参加しました。

環境の世紀といわれて始まった21世紀も、すでに5年が経過しました。しかし、全国各地ゼ20世紀よりも環境を破壊する公共事業が進んでいます。道路建設もしかりです。

9月28日、東京高等裁判所は東京大気汚染公害訴訟の結審にあたり、「解決勧告」を言いわたしました。内容は、「原告(大気汚染公害被害者)の多くの方が亡くなっている。裁判所としては、出来る限り早く、抜本的、最終的な解決を図りたい。」というものであった。これは、被害者の救済制度を早急につくれと言う事に他なりません。

国道43号線、西淀川、川崎、尼崎、名古屋、東京と続いた道路公害裁判は、道路公害が住民に重大な被害をもたらしている事実を明らかにしましたが、先の「解決勧告」は、その被害がより深刻になっていることをものがたっています。

しかし、高速道路を始め、大規模な幹線道路建設は依然として全国で進められています。また、大型の都市計画道路も然りです。東京では、石原都政のもと、オリンピックを口実に道路建設を強行しています。

こうした一方的な道路行政のあり方に対し、私たちは行政への働きかけをよりいっそう強めなければなりません。

今や国と地方を合せると1000兆円ともいえる借金をかかえています。道路公団は昨年10月より民営化され、公団負債の穴埋めや不採算路線へは税金投入の道さえ開きました。民営化したことによる情報公開の後退も危惧されます。今後、政府と民営会社の動向を監視する必要があります。

これ以上ムダで有害な道路建設は必要ありません。国は道路事業を進めるにあたって、その公正性と透明性を高めると公言し、計画の早い段階から住民に情報を提供し、住民との合意形成を図ると言っています。しかし、これらは現場では活かされていません。あいも変わらず一旦決めたものは強引に進めているのが実情です。一度始めたら止まらないと言われてきた公共事業もダムや埋め立てでは見直しが行われ、中止する事業も生まれています。

車優先から人間優先の社会に政策を転換するときです。この2日間で討論した中身を地域に帰って報告し、仲間を増やしましょう。そして、運動の輪を広げましょう。道路政策の転換は、自然保護やまちづく りに取組む住民運動、市民運動のみならず、国民の多くから求められています。

2006年10月15日

  • 第32回道路公害反対運動全国交流集会

第26回全国交流集会アピール

私たちは、第26回道路公害反対運動全国交流大阪集会を、11月18日、19日に大阪にて開催し、全国から230名の参加のもとに現地見学や各地の経験を交流し、また、21世紀に向けての「車社会」のあり方の討論もおこなった。

43号線最高裁判決、西淀川地裁判決、川崎地裁判決に続き、今年1月の尼崎地裁判決においても画期的な差し止め命令など、道路公害がきびしく断罪された。これらの裁判を通じて、道路公害がいかに住民に健康被害をもたらしているかが明確になった。そして、勝利判決が確定した訴訟や勝利和解した訴訟の地域において、国は道路公害対策への取り組みを行い始めている。しかし、国は今現在、尼崎での和解に応じず、また、全国的な車優先の道路行政の転換を行おうとしていない。

不況を口実として大型公共事業に莫大な税金投入が行われ、今年度末で650兆円の借金をかかえ、財政破綻も抜きさしならない状況となってきている。それにもかかわらず、国は630兆円の公共投資の見直しを行わず、第12次道路整備五ヵ年計画に於いて78兆円の投資を進めている。

圏央道での収用手続きに見られるように、住民の意思を無視した道路建設の強行が行われている。また、大阪や兵庫に於いても第二京阪道路、阪神高速淀川左岸線、大和川線、第二名神、阪神高速東本町入路ランプなどが建設着手や建設に向けての手続きが急ピッチで進められ、関係地域住民の不安を惹起している。

大気汚染や騒音など道路公害の状況が一向に改善されない中、道路建設が進められるなら、環境がより一層悪化することは明らかであり、また、まち壊しが進むことも明らかである。

私たちは、全国からつどい、経験を交流し、学ぶ中で、次のことを国や自治体に求めるものである。そして、私たちは住民運動をねばり強く展開し、21世紀を環境優先、住民が主人公の世紀とするために奮闘するものである。

一、圏央道での収容手続きを今すぐ中止し、大阪をはじめ各地での住民合意のない道路建設をストップすること。

一、 道路環境の抜本的改善に取り組み、環境破壊・自然破壊・まち壊しの道路建設をやめること。

一、 公共事業は道路建設優先から生活密着型優先に切り替え、同時にゼネコン向け大型公共事業予算を減らし、くらし・社会保障予算にまわすこと。

一、 車優先の交通政策から、人間優先・公共交通優先の政策に切り替えること。

以上、集会アピールとする。

2000年11月19日

  • 第26回道路公害反対運動全国交流大阪集会

第29回全国交流集会アピール

私たちは、第29回道路公害反対運動全国交流集会を、10月12日、13日愛知で開催し、全国から11都府県42団体169人が参加しました。

全国から集まった私たちの運動は、計画段階、建設中、供用段階とさまざまであり、運動の組織や形態も多様です。しかし、共通しているのは地域住民のいのちと健康、生活を守る立場で運動を進めていることです。また、粘り強く運動が継続され、運動が日々広がり、強まっていることです。

道路事業に対する環境は大きく変化してきました。世論調査では、道路建設をはじめとする公共事業には「無駄がある。減らすべき」が9割を占め、高速道路の「拡充は不必要」が「必要」を上回っています。95年の43号線、西淀川判決から昨年10月の東京大気汚染訴訟の判決に連なる一連の大気汚染裁判で自動車排ガスの健康・生活被害と国、公団の加害責任が明らかにされました。ディーゼル排ガス規制も始まりました。民営化論議を含め道路公団のあり方そのものも問われています。10月3日には圏央道あきる野の土地収用に東京地裁が執行停止決定を出しました。しかし、東京都、国と公団は即時抗告しました。

国と地方の債務は700兆円にもおよび、道路関係4公団の債務は40兆円となり、財政破綻の状況です。しかし、いまなお公共事業費の3分の1を投入して道路建設が続けられています。利権の温床でもある道路建設は住民に知らせないまま計画が進められています。まだ、国や公団、自治体の道路行政の姿勢を変えるには至っていません。現在の道路事業が推し進められるなら、住民との矛盾は広がり、道路公害と住民無視の道路建設に反対する運動は、更に強く広がるでしょう。

私たちの運動は道路問題だけにとどまりません。全国で道路問題を含めた地域再生の運動が始まっています。私たちの運動は、道路問題から始まり、国と自治体のあり方、住民合意、住民参加による道づくり、まちづくりの運動に発展しています。無駄な道路建設を止め、交通政策を転換させることは地球温暖化を始め地球環境を守る運動でもあります。道路公害問題を基本にしながら幅広い視野を持って運動を進めることが求められています。

開発と環境破壊の20世紀から環境優先・自然と共に生きる21世紀にたって、私たちは、住民参加による人と環境にやさしい公共交通機関をいかしたまちづくりを求めます。くるま優先の道路から人間優先の道路へと道路政策を転換することを強く求めます。

2003年10月13日

  • 第29回道路公害反対運動全国交流集会