東京」カテゴリーアーカイブ

第47回全国交流集会 in 東京(ハイブリッド)
―道路計画と住民参加―

  • 日程:2022年10月29日(土曜日)
  • 開催方法:ハイブリッド(リアル&オンライン)
  • リアル会場参加
    三鷹市市民協働センター(東京都三鷹市下連雀4丁目17-23)
    アクセス(地図・交通)
  • オンライン参加(Zoom
    参加申込後にオンライン参加用リンクをご案内します。
    オンライン参加は個人参加だけでなく、会場を設定した合同参加も可能です。

プログラム

  • 9時30分 リアル参加会場受付開始
  • 10時~12時
    • 開会挨拶
    • 各地からの報告
  • 12時~13時 昼食休憩
  • 13時~15時45分
    • 基調報告 長谷川茂雄(道路全国連事務局長)
    • 記念講演「道路計画への住民参加の可能性と課題」(仮題)
      礒野弥生(東京経済大学名誉教授)
    • 質疑応答・意見交換
  • 16時 閉会

参加費

  • リアル、オンライン参加ともに無料

活動報告書

  • 活動報告書は冊子での配布は行わず、データで提供します。

参加申込・活動報告書提出・お問い合わせ先

  • 担当:長谷川茂雄

第46回全国交流集会 in 東京(オンライン)
パンデミック後の新しい社会を目指して
―コロナ後の都市や公共事業はどうなるか―

  • 日程:2021年11月14日(日曜日)
  • 開催方法:オンライン

開催概要

  1. 開催はオンライン参加を基本とします。
  2. 都内の方々等(ネット接続が困難な方)を対象にリアル会場(東京経済大学)でのパブリックビューイングも実施します。
    ※リアル会場参加を希望する方は参加申し込みが必要です(申し込み〆切:11月7日)。
  3. 全国各地からの参加は、個人でのオンライン参加でも会場を設定しての合同オンライン参加でもどちらでも大丈夫です。
  4. 現地視察や懇親会は行いません。
  5. 各地の会からの活動報告は例年通り募集しますが冊子での配布は行わず、データでの提供を基本とします(提出期限:11月7日)。
  6. オンライン参加を基本としますので今回は参加費の徴収は行いません。

プログラム

  • 10時~12時
    • 基調報告 長谷川茂雄(道路全国連事務局長)
    • 記念講演「コロナパンデミックと今後のまちづくり」(仮題)中山徹(奈良女子大学教授 都市計画学)
  • 13時~15時45分
    • 活動報告と意見交換(報告は7団体を予定)
  • 16時 閉会

参加費

  • オンライン、リアル会場参加ともに無料
  • オンラインに不安がある方などには、事前に下記へ連絡して頂ければテスト接続などのサポートを行います。お気軽に連絡してください。

リアル参加申し込み・お問合せ

第46回全国交流集会実行委員会(外環ネット+都市計画道路連絡会)
担当:長谷川茂雄

東京外環道訴訟第5回口頭弁論における原告意見陳述(公益性・環境破壊について)|原告訴訟代理人 弁護士 遠藤憲一

2019年5月14日、東京外環道訴訟第5回口頭弁論が行われ、原告側から東京外環道の公益性及び環境破壊について意見陳述を行いました。その要旨を掲載します。

平成29年(行ウ)第572号

原告 岡田光生他

被告 国他

更新意見要旨

2019年5月14日

  • 原告訴訟代理人 弁護士 遠藤憲一

(裁判長交替に伴う更新意見)

1 第1点 今、本件外環道をつくらなければならない「公益上の必要性」はない。

被告国や事業者は、「首都圏の渋滞緩和、環境改善や円滑な交通ネットワークの実現」等の大義名分を掲げている。

しかし子供の人口は1950年に比べて半減した。我が国が著しい高齢化社会を迎えていることは公知の事実である。

こうした現実を無視して、平成11年とか平成17年度の道路交通センサスにしがみつき外環本線交通量1日7.6から9.6万台などと想定する事業計画におよそ公共性はない。

大泉ジャンクションから東名高速まで、60分を12分とする時間短縮効果があるというが、距離を速度で割っただけの計算でしかなく、いまや外環利用よりも都心環状経由や高速中央環状経由の方が早いという計算結果もある。外環道のために1兆6千億円、1メートル1億円も注ぎ込んで造る必要性も合理性もまったくない。

他方で国は、東日本大震災、福島原発事故から8年を経過するのにまともな震災復興さえできず深刻な放射能汚染の状態を隠蔽している。

社会福祉予算も削減の一途を辿る中、公益事業の名のもとに、住民のくらしの安全と環境を一方的に侵害して敢行されようとしているのが本件事業である。しょせんゼネコン、資本の利権に「公益」の衣を被しているにすぎない。

このように本件事業は、「公益上の必要」という大深度法16条3号の要件を欠くものである。

本件審理に於いては、「公益性」のひとことで無前提に受け入れるのではなく、その内実を徹底的に究明してもらいたい。

2 第2点 外環道は環境改善どころか環境の大破壊をもたらすものである

住宅の真下に直径16メートルのものトンネルが貫通する。武蔵野台地の地下水脈を分断・破壊し、排気ガスをまきちらし広く大気が汚染される。外環道は人間の生活に最も重要な空気、水、土、緑を汚染する。

巨大地下トンネルの建設は、一瞬先は闇の危険が埋まっている。現に地下トンネルによる、地盤陥没や、水涸れなどが全国各地で発生し、報告されている。

本件ではこれら環境破壊の問題 処分の違法性を基礎付ける事実(訴状請求原因第5)について徹底的に究明されなければならない。

地下水位の低下については、被告らも地下水の流動阻害が生ずることを認めている。

流動阻害によって水位の変動が生ずることを認めている。

しかし、その予測の手法=三次元浸透流解析なるものには、専門家から元になるデータの収集や手法上の問題点が暴露され、信頼性がないことが指摘されている。

また、その予測に基づく環境保全措置=地下水流動保全工法についても、環8井荻トンネルの失敗例に明らかなように、決して安定した保全措置ではない。

被告国は、実施事例は16例あるとしてその施行効果があるかのように言うが、環境影響評価書の該当部分を見ても事例の羅列でしかない。資料編には阪和自動車道の1例しかのせられていない(乙20の1)

被告国の外環事務所は 住民に対して検証結果は分からないと述べている。

しかも本件事業認可の後の検討委員会で、保全工法の構造変更の審議などがなされ、なお検討中の段階である。

にもかかわらず、環境影響評価に唯一依拠して危険はないと強弁しているのが被告国、事業者らである。

しかし、その環境影響評価書では肝腎な部分のデータが開示されていない。公式や数式、一般的数値は開示しているが、判断の下になったデータが不明なもの、論証抜きの評価が多数ある。

また、被告国は、原告らの主張に対し、認否を巧妙に避けている。

追って具体的に明らかにするが、主張を噛み合わせるには認否が必要である。都合の悪い部分に蓋をしたまま議論を進めることは許されない。

裁判所は、「環境影響評価書」にそう書いてあるからもうそれでよい、議論は終わりだといわんばかりの被告国の主張に引きずられてはならない、鵜呑みにしてはならない。

ことはどれひとつとっても住民の生命・身体にかかわる問題である。

最近 野川の気泡(酸欠空気)噴出が大問題となった。これついて国は事故ではなく「事象」であるなどと他人ごとのように言っている。単なる「原告の抽象的危惧感」だとなどと言っている。裏付け資料も出さずに「有意な影響を及ぼすものではない」などと言っている。

それでいて被告は説明責任を十分尽くしてきたなどと言っている。

このような被告らの対応は許されるものではない。

裁判所には、十分な事実解明のための訴訟指揮をされるよう強く求める

もとより本件行政処分が適法であることの立証責任は、被告らにすべてあることを裁判所は銘記して審理を進められるよう訴える。

以上

第44回全国交流集会
21世紀の公共事業―人間が主人公のまちづくり Part2

前回に引き続き、「人間が主人公のまちづくり」の実現を皆さんとともに追求いたしましょう。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

プログラム

第1日目(11月17日)|現地見学・首都圏からの報告他・懇親会

  • 12時~ 現地見学(要申込)
    (集合:11時40分 JR東京駅 八重洲中央口「びゅうプラザ」前)
  • JR東京駅構内図と集合場所

    • ルート:東京駅~東京外環東名JCT~東京外環中央JCT~国分寺3・3・8~東京経済大学 国分寺キャンパス
  • 16時 受付開始 全体会 会場:東京経済大学 国分寺キャンパス
  • 16時20分~ 首都圏からの報告、他
  • 18時~ 懇親会(要申込)

第2日目(11月18日)

  • 会場:東京経済大学 国分寺キャンパス
  • 9時30分~(受付9時~)
  • 午前|全体会
    • 基調報告 橋本良仁(道路全国連事務局長)
    • 記念講演「公共事業と住民参加(仮題)」磯野弥生氏(東京経済大学名誉教授)
    • 記念鼎談「半世紀の闘いから道路問題を語る(仮題)」標博重、大川浩正、橋本良仁
  • 午後|分科会
    • 4つのグループに分かれ、自由闊達な議論、意見交換をしていただきます。(テーマは当日変更になる場合があります)
    • 事前にどの分科会に参加したいかをご連絡下さい。
    • A.裁判の到達点と今後を探る
    • B.事業者との向き合い方(交渉術や情報公開を求めるヒントとは?)
    • C.D.運動の進め方
      1. 外とのつながり方(運動の広げ方〈市民、議会、他団体など〉、メディア・SNSの活用法など)
      2. 生き生きした活動に向けて(イベント参加者数、集会・会合の持ち方、後継者づくりなど)

参加費

  • 一般(都内):1,000円
  • 一般(都外全国)・道路全国連幹事:2,000円

現地見学参加費:2,500円

懇親会費:4,500円

第2日目昼食弁当:1,000円

  • 第2日目(11月18日)は大学構内で昼食等を購入できません。弁当を申し込むか各自ご持参下さい。

お問合せ

第44回全国交流集会・開催実行委員会(外環ネット 大塚康高)

  • メールによる参加申込は宛先が異なります。詳細は参加申込書をご覧ください。

「東京外環道訴訟」提訴報告集会|ストップ!東京外環道 ~住宅の真下にトンネルいらない!~

東京外環道を止めるため私たちは提訴しました。

地権者住民の許諾なしに、住宅地の真下にトンネルを掘る「大深度法」。その違法性・危険性・不当性を訴える訴訟をご支援ください。

  • 日時:2018年1月20日(土) 18時30分~
  • 場所:武蔵野公会堂 第1・2会議室
  • アクセス:JR中央線吉祥寺駅南口から徒歩2分
  • 報告:
    • 弁護団:武内更一さん、遠藤憲一さん
    • 原告:岡田光生さん、他(原告が訴訟にいたる思いを訴えます)

東京外環道事業は、2014年3月に大深度地下使用の認可、都市計画事業の承認・認可がされました。それに対し、沿線住民を中心に1000人を超える住民が異議申し立てを行いました。

国交省には、トンネル工事の安全性、地下水やPM2.5など大気質を始めとする環境問題、本線地上部の建築制限、大深度地下での地中拡幅部工事の危険性、大深度より浅い部分の区分地上権の補償など、多くの問題への回答を繰り返し求めてきました。しかし、いずれも納得のいく回答は得られていません。

2017年7月、大深度地下使用の認可に関する異議申立てを「棄却・却下」とする「決定書」が送付されてきましたが、その理由は、全く納得できないものです。

そこで、私たちは、司法の場できちんと議論し、回答を得るべく、12月18日に東京地裁に提訴しました。

問合せ先:東京外環道訴訟を支える会(籠谷)

東京外環シールドマシン NON!|抗議行動

外環シールドマシン NON! 発進式 ヒューマンチェーン 抗議デモ

住宅地の真下 破壊貫通?! 世界最大級の難工事

地面が動き、家が壊れる 超危険トンネル 崩落時・住民避難対策は?なし!

破格1兆6,000億円
スーパーゼネコン、官僚、御用政治、御用学者
利権癒着式典に声を上げよう!

  • 日時:2017年2月19日(日曜日) 10時~12時
  • 場所:世田谷区東名ジャンクション(仮称)工事現場・シールドマシン発進式典入口横の路上
  • 集合:多摩堤通り野川・新井橋付近 付近見取図(Googe Map)

主催:外環ネット

東京外かく環状道路の都市計画事業承認への異議申し立て口頭意見陳述|橋本良仁(道路全国連事務局長)

2016年9月27・28・30日、東京外かく環状道路の都市計画事業承認への異議申し立てについての口頭意見陳述が行われ、9名が意見陳述を行いました。そのうち9月28日、道路全国連事務局長・橋本良仁による意見陳述の原稿を掲載します。

2016年9月28日

  • 道路住民運動全国連絡会 橋本良仁

はじめに

東京都八王子市高尾町1989-5の橋本良仁です。2014年3月28日付で国土交通大臣が行った、国土交通省告示第395号により告示された都市計画法第59条第3項および第4項の規定により、都市計画事業の承認及び認可をした処分に対する異議申し立てに関して、行政不服審査法第25条第1項ただし書きに基づき、申立人である「世田谷区在住の某さんの代理人として意見を述べます。

私が、道路問題に取り組んだきっかけは、国定公園・高尾山をトンネルで穿つ首都圏中央連絡自動車道の東京都内部分22.5キロメートルの建設計画問題でした。今から32年前のことですが、それ以来、道路をはじめ全国の公共事業問題と関わっています。

現在、私は道路関係住民団体の全国組織である道路住民運動全国連絡会の事務局長の任にあり、2013年からは、ダムや道路をはじめ、干潟の干拓事業、スーパー堤防、リニア中央新幹線、さらに沖縄の基地建設など全国の大型公共事業問題に取り組む住民や市民団体、ジャーナリスト、弁護士などが共同して設立した公共事業改革市民会議の代表も務めています。そのような立場にあるため、これまで重要法案審議の際は、参考人として国会の国土交通委員会や地方公聴会などにも出席して意見を述べてきました。

本日開催している東京外環道の都市計画の異議申し立てにともなう意見陳述をはじめとした公共事業に関連する行政手続きは、国民の世論や40年以上にわたる先輩や私たちの住民運動団体や市民団体の活動や行政に対する提言によって制度化されたものがほとんどです。これらの制度は、公共事業の透明性や公正性の確保、国民や関係住民との合意形成を目的としていますが、制度はできても行政の姿勢はこれまでとあまりかわりません。制度化された各段階の手続きを通過さえさせればそれでよしとする行政の姿勢に怒りさえおぼえます。制度はできても、その実はともなわない、「仏を作って魂を入れず」の状況がいまだに続いています。

国会や自治体の議会、さらに事業計画の公述などの機会に必ずお話しすることがあります。この陳述に職務として出席されている職員の皆さんに、ぜひお話ししたいことがあります。医者や弁護士や裁判官や学者やジャーナリストなどの専門職に方はそれぞれがその専門性をもって、そして皆さんは国家公務員として、己の信じるところにしたがって誠実に職務に向き合っていただきたいということです。本日の東京外環道の沿線住民の意見陳述に立ち会うという貴重な機会を大切にしていただきたいと思います。重な機会を大切にしていただきたいと思います。

ある省庁のキャリア官僚ですが、管理職に就くとき前任者から次のような申し送りがあったと話してくれました。「情報は可能な限り隠し、隠しきれない場合はだまして逃げろ、逃げ切れないときは嘘をつけ」と。

30年におよぶ私の経験からいっても、さもありなんと思う次第です。

東京外環道の経緯

改めて、東京外環道の歴史的経緯について述べたいと思います。

外環道の都市計画決定は1966年ですが旧法のもとでの都市計画決定だったため、沿線住民への説明はほとんど行われませんでした。沿線住民は大きな建設反対運動を展開し、関係自治体も建設に反対したため、1970年10月、当時の根本建設大臣が凍結を言明することになりました。その後、東京外環道建設は36年間凍結されたのです。しかし、1999年、東京都知事に就任した石原慎太郎氏は東京の3本の環状高速道路(中央環状、東京外環道、圏央道)の建設促進を表明します。石原知事こそ、凍結状態の東京外環道をフリーザーから取り出した張本人だといえます。

1999年6月、朝日新聞社の招待で沿線の住民団体代表3名がパリを視察します。この視察には、国や東京都の関係者も参加していました。その年の10月、朝日新聞社の主催で「東京・パリ都市交通シンポジウム」が開催され、住民団体の代表2名がパネリストになりました。このような経緯の中で、2002年6月から関係住民との合意形成を謳い文句にPI外環沿線協議会が開催されますが、2007年12月の国幹会議で地上部の建設は中止して大深度地下方式による基本計画が承認され、現在に至っています。

沿線住民と関係自治体の反対で37年間ものあいだ建設が凍結されていた東京外環道を何が何でも建設したい、そう考えた国や東京都、そして石原知事らはその打開策を練ったのではないかと思います。国民との合意形成努力をしているフランスのパブリックインボルブメント(PI)の制度に見習って、PIの誠実な実行を担保に沿線住民らを説得したのです。東京外環道の建設中止も選択肢の一つといった謳い文句で始められたPI沿線協議会ですが、沿線住民との合意形成は不十分なまま、強引に建設にこぎつけられてしまいました。

フランスのPIとは

国土交通省がお手本にしたというフランスのPIとは一体どんなものなのか、ここで紹介します。東京外環道で行われたPIと、その内容や合意形成を行う精神が全く違います。

昨年末、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)に、NGOの一員として参加するためフランスを訪問しました。滞在期間中、パリ郊外にある人口数万人のバニュー市の女性市長と懇談することができました。その中で、私は、高尾山で繰り広げられた大規模な公共事業である圏央道建設問題を例に、日本の公共事業の実情を紹介しました。「日本では国や自治体が一方的に進める大型公共事業によって貴重な自然が壊されたり、多くの住民が土地を奪われたりします。裁判を提起してもなかなか解決せず、どんなに反対しても最後は国によって土地や私有財産が強制的に取り上げられます」と紹介しますと、市長は驚いた表情でこう言いました。一員として参加するためフランスを訪問しました。滞在期間中、パリ郊外にある人口数万人のバニュー市の女性市長と懇談することができました。その中で、私は、高尾山で繰り広げられた大規模な公共事業である圏央道建設問題を例に、日本の公共事業の実情を紹介しました。「日本では国や自治体が一方的に進める大型公共事業によって貴重な自然が壊されたり、多くの住民が土地を奪われたりします。裁判を提起してもなかなか解決せず、どんなに反対しても最後は国によって土地や私有財産が強制的に取り上げられます」と紹介しますと、市長は驚いた表情でこう言いました。

「フランスでは、そのようなことはありえませんし、想像することもできません。バニュー市の都市計画事業は40年もの時間がかかりましたが、工事が始まったところです。この事業はパリからの地下鉄路線を郊外のバニュー市まで延伸させるとともに環境先進自治体としての街づくりを進めるものです。この事業は多額な予算が必要なのでその予算的措置を国に求めてきました。この計画は、大多数の市民の要望でしたが、それでも100%というわけではなく、事業に反対という主張の市民も、少数ですがおられました。

都市計画を進めるに当たり、私たちが心掛けたのは市民の声に丁寧に耳を傾けることでした。この事業計画の作成は市民と同じテーブルで話し合って何度も何度も計画を立案し変更しながら練り上げたものです。最終的な事業計画案について、何とか全ての市民との合意を得ることができて、建設にこぎつけることができました。何度も説明の機会を設けましたが、説明会になかなか足を運べない、また運びたがらない市民もいました。そうした市民にはクリスマス会などといった誰でも集まりやすいイベントの機会を利用して、少しづつ都市計画の内容をお伝えし理解が得られるようにしてきました。市民の合意なしでどうして計画を進めることができるでしょうか。バニュー市の主権者は市民です」。そして、市長は最後にこう言いました。「急がばまわれです。市民の合意が得られれば、都市計画事業はスムーズに進み、経費も安く上がります」と彼女は胸を張りました。日本の現状とは隔絶の感がありますが、かってフランスも現在の日本と同じように、国民はお上のやり方に従えといった上意下達のシステムでした。現在のフランスの合意形成制度(PI)は、国民の長い運動の中で勝ち取られた制度であり、日本のPIとは似て非なるものです。

全国どこでも住環境・自然環境の破壊

国土交通省は、道路事業を進めるに当たり、関係住民との合意形成の大切さを唱えますが、道路建設先にありきがその実態です。圏央道は国史跡八王子城跡と国定公園高尾山を直径10メートルのトンネルで串刺しにする環境破壊の道路として、28年におよぶ反対運動と12年間の裁判が行われました。

  • 運動や裁判の中で見えてきたこと
    • 担当課長を証人尋問
    • 国のB/C比を採用せず(住民側の主張も採用しなかった)
    • 会計検査院による国交省への勧告

八王子城跡の滝枯れや高尾山のトンネル工事による地下水低下、湧水の枯渇、オオタカの営巣放棄などの自然破壊、ジャンクションや高架による景観破壊について、司法はその事実を認定しました。

シールドマシンによる先進導孔の止水工法(地盤凝固剤の注入)+ナトム工法による拡幅工事によっても環境破壊を防ぐことはできなかった。

東京外環道の大深度地下工事は、これまで経験したことがない。技術的にも難しく、どれほどの費用を要するか、そして何よりも沿線住民の住環境や地下水などの自然破壊が心配される。破砕帯や固い岩盤を掘った八王子城跡や高尾山トンネルと比較すると東京外環道の地層は安定しているが、どんな工法によっても地下水や地上部に影響を与えない工事は不可能である。

全国の道路問題の事例紹介

国道43号線の沿線公害(最高裁で住民勝訴確定、遠藤騒音基準を改悪、幹線道路沿道基準など、広島国道2号線訴訟、湖西道路などの騒音被害、東九州自動車道のミカン農家の強制収用、名古屋第二環状(家屋被害)の事例、大深度トンネル工事などの外環道もしかり

道路を造らなくても渋滞はなくせる

1980年代、欧州の大都市は車の渋滞に悩んだ。イギリスはロンドン市内の渋滞緩和のため8車線の環状道路M25を整備したが、渋滞解消どころかM25が渋滞する結果になった。ブレア首相の率いるイギリス政府は、この原因を徹底的に調査しグリーンレポートという報告書にまとめた。その結論は、道路をつくれば便利になる、車利用が増大し、渋滞は減少するどころかますます増大する。ロンドンの渋滞を緩和するためには自動車の利用を抑制することだった。

東京都の環境白書(石原知事)はグリーンレポートを高く評価したが…。

イギリスは1998年に都市政策を大転換し、ロンドンの市内に流入する車に8ポンドを課税しました。結果、渋滞は大きく減少します。ヨーロッパの他の環境先進国である、オランダ、ドイツ、フランス、デンマーク、ノルウエーなどでも鉄道、バス、路面電車などの公共交通を充実させ、徒歩や自転車利用を進めています。を進めています。

このような交通政策は、排ガスによる大気汚染公害や地球温暖化防止にも効果をあげています。車に依存しない、徒歩や自転車の利用は、健康をはかり医療費の抑制にもつながります。多額な税金をつかって道路を造らなくても渋滞解消は可能であることの具体的な事例です。東京の環状高速道路や道路ネットワークを整備することで車の渋滞をなくそうという考え方は古い20世紀型のパラダイムであり、東京外環道や圏央道建設にたよる交通政策は、まさに時代遅れと言わざるをえません。

東京では、これまでどんなに道路を造っても車は増え続け、渋滞は解消されません。東京外環道や圏央道は1970年代に計画され、第四次全国総合開発計画で閣議決定された右肩上がりの経済成長のもとで可能なものであり、バブル経済の遺物です。少子高齢化社会に向かい、将来交通需要も大幅減少という現在、建設中止を視野に入れた検討が必要です。平成17年交通センサスによる将来交通需要は平成22年センサスを適用すべきです。

外環道建設で儲けるゼネコン

外環道路は当初予算の発表から7年目には事業費が3155億円増え1兆5979億円となりました。大手ゼネコンの4社を中心に工事金額の9割以上を受注しています。

国や中日本高速道路や東日本高速道路が発注した主な工事は約40件あって、契約総額は約6700億円で、その9割以上の約6373億円を鹿島建設、大成建設、大林組、清水建設の大手ゼネコン4社が共同企業体(JV)の幹事社として受注しています。工事規模が最大の本線トンネルの4工事も、この4社が幹事社として高値で受注し、落札額は約5315億円にのぼっています。大手4社の2016年3月期の決算では過去最高利益を更新しています。日本建設業連合会の中村会長(鹿島建設会長)は、定時総会で、「アベノミクス政策が功を奏し、建設業界は20年の低迷から脱することができた」と述べているほどです。まさに、政界が旧態依然とした旧来型の大型公共事業を重厚長大産業のために行っているのではないでしょうか。

負担を押し付けられる沿線住民はたまったものではありません。行政による東京外環道の説明は何度聞いても住民の目線から大きくかけ離れていると言わざるをえません。

オーフス条約、フランスの自治体訪問経験、先人の教え

圏央道もそうでしたが、どこの道路事業もある日突然、終の棲家である自宅の上に道路のルートが引かれます。やむをえず、住民は立ち上がるというのが実態です。誰一人好んで道路建設の反対運動に関わったのではありません。道路全国連の役員には、50年以上も活動を続けている人もいます。

オーフス条約の紹介

第1回国連人間環境会議で採択された「人間環境宣言」を受け、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた環境と開発に関する国際連合会議(リオ会議)では、環境と開発に関する「リオ宣言」が、気候変動枠組条約や生物多様性条約などとともに国際的合意がなされました。

リオ宣言の第10原則は市民参加条項であり、「環境問題はすべての望む市民が参加し、公的機関の環境に関する情報を入手し、意思決定に参加する機会、また、司法的・行政的な手続きに参加する機会が与えられなければならない」という趣旨のことが記されています。
この理念を実現するため、1988年にデンマークのオーフスという町で開かれた国連欧州経済委員会において、「オーフス条約」という国際条約が採択されました。この条約は日本ではあまり知られていません。私もわずか4年前に知りました。

オーフス条約は、「1.環境に関する情報へのアクセス、2.意思決定における市民の参画、3.司法へのアクセス(訴訟の権利)」、この3つを市民の重要な権利として位置づけることを行政に求めています。イギリスやフランスをはじめ46か国とEUが加盟しており、加盟国はこれによって国民と対話を図り、求められた情報は何でも開示しなければなりません。日本は批准していませんし、環境省はこのような国際条約があることを知らせようとはしません。

終わりに

陳述の終わりに、熊本県阿蘇郡小国町の北、大分県との県境で建設が強行された、下筌ダムの住民のリーダーの戒めを紹介したいと思います。ダムで湖底に沈む住民達は「墳墓の地を守れ」と立ち上がり、強大な国家権力を相手に堂々の戦いを挑みました。世に有名な「蜂の巣城」の攻防です。その顛末はまさに大型公共事業に対する住民の戦いの原点です。有能な指導者だった室原知幸さんの「公共事業は法にかない、理にかない、情にかなわなければならない」の戒めは、公共事業を進めるうえで、大きな示唆となります。

 

以上、私の希望を含めて陳述しましたが、2014年3月28日付で国土交通大臣が行った、国土交通省告示第395号により告示された都市計画法第59条第3項および第4項の規定により、都市計画事業の承認及び認可をした処分の取り消しを求めます。

『守られなかった奇跡の山 ―高尾山から公共事業を問う』

表紙写真『守られなかった奇跡の山 ―高尾山から公共事業を問う』

目先の利便性や経済性を疑い、貴重な自然を未来に残すことをめざした
その願いは引き継がれる

目次

  • プロローグ ―未来につながる高尾山の運動
  • 1章 奇跡の山・高尾山
  • 2章 公共事業に奪われた日常
  • 3章 私たちの活動の記録
  • 4章 裁判における挑戦と成果
  • 終章 高尾山から公共事業を問う
  • エピローグ ―育みの山

国分寺都市計画道路3-2-8号線事業認可取消事件訴訟終結にあたっての声明

2015年6月6日

1 本件訴訟と不当判決

国分寺都市計画道路3・2・8号府中所沢線(本件道路)の建設事業について、建設予定地の地権者を含む住民ら22名は、2007年12月25日、国土交通省関東地方整備局長の行った認可(07年11月)は違法であるとして、その取消を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。この訴訟は、2011年3月29日の東京地裁判決、2012年10月31日の東京高裁判決、そして、本年4月14日の最高裁決定により、いずれも住民の取消請求を認めない不当な判断が出され、訴訟手続は終結することとなった。

2 私たちが訴え明らかにしてきた問題点

本件道路は、国分寺市内のほぼ中央、住宅密集地のなかを、多くの居住用建物や一部畑地などの緑地をも撤去して、幅36m、長さ2.5㎞にわたって貫く道路を建設しようとするものである。

私たちは、提起した訴訟を通じて、本件道路建設の必要性は、認めることはできないものであり、計画そのものが不合理で取り消されるべきものであることを訴え続けてきた。

本件道路は昭和18年に計画されたものである。道路予定地及び周辺では昭和40年前後から急速な住宅化が進められたが、他方で、今日では人口減少により交通需要が減少していくことが明確となっているなど事情は大きく変更している。にもかかわらず、戦前に立てられた計画をさらに拡張して、250世帯約800人もの立ち退かせ540億円もかけて建設しようとするのが本件道路建設計画である。本件道路が必要性のない無駄な公共事業であること明らかである。

しかも、本件道路が建設されることにより多数の住民の居住の権利が奪われ、コミュニティが分断されるのみならず、騒音や振動、大気汚染など道路公害を激化させ、周辺住民に多大な被害をもたらすものである。

ところが、この計画に関しては住民参加の機会も与えられず、住民の求める建設計画の見直しも検討されずに、一方的に決定され強行されようとしているのである。

本件道路建設には、このように重大な問題が存在することが明確になっているにもかからず、それらを無視し検討もせずして事業計画を決定し、さらには本件道路建設の事業を認可したのである。この事業認可が違法であり、取り消されるべきことは明白である。わたしたちは、これらの問題を訴訟手続を通じて訴え、様々な資料や証拠により事実を持って明らかにするとともに、地域の諸団体と共同でシンポジウムなどに取り組み、環境悪化や健康への重大な影響など広く市民にも問題提起してきた。

3 裁判所の不当な判断と今後の課題

ところが、裁判所は、行政の裁量を広く認め、東京都や国側の主張を鵜呑みにし、住民の指摘した重大な問題に目をつむり、不当にも住民の取消請求を退けた。しかも、事業認可時点で、人口減少のデータが公的に明らかにされていなかったとか、PM2.5について環境基準化されていなかったなどとして、これらを行政が検討しなかったことを正当化したのである。裁判所は、人権の砦であるべき司法の役割を果していないといわざるを得ないものであり、このような裁判所の姿勢は根本的にあらためられなければならないものである。

他方、私たちが指摘した様々な問題は、裁判所の判断に関わらず、本件道路建設がすすめられるなかで現実化しつつある。本件道路の延長が予定されている小平道路建設計画に対しても事業認可の取消を求める訴訟も取り組まれている。

 

私たちは、道路問題に対する各地の運動、環境を守るたたかいを進めている全国のみなさんとも連携し、本件道路建設による環境破壊を許さず、住みよいまちづくりをすすめるために、取り組みを進めていくものである。

  • 国分寺都市計画道路3・2・8号線事件訴訟団
  • 国分寺都市計画道路3・2・8号線事件弁護団