私たち道路住民運動全国連絡会は、11月24日から26日までの3日間をここ被爆地広島において第38回『全国交流集会 In ヒロシマ』を開催しました。
本集会は核兵器廃絶・世界平和を訴え続ける平和都市ヒロシマにふさわしく『くらしを結び、まちを結び、心を結ぶ』をテーマに全国各地(関東・東海・近畿・中国・九州)から32団体120名が参加しました。
24日(第1日目)は“悪名高き”広島高速1号線『福木トンネル』地盤沈下現場(広島市東区)や、今月28日にも広島高裁で結審が予想される『国道2号線高架延伸差止め訴訟』(広島市中区)の現地視察バスツアー、特別番組『映像で見る広島のたたかい』の上映。そして広島市域3団体の現地報告が行われました。さらに恒例となった夜の懇親会は新旧さまざまな仲間が交歓と親睦を深めました。
25日(第2日目)は道路全国連橋本良仁事務局長から「高速道路はもういらない」の基調報告。鞆の自然と環境を守る会鈴木辰夫代表・同高橋善信事務局長の『鞆の浦埋立架橋反対運動』特別報告に続き、関島保雄高尾山天狗裁判弁護団事務局長が『高尾山天狗裁判から見えてきたもの』と題した記念講演で圏央道(首都圏中央連絡自動車道)建設に関わる諸問題を解明しました。
昼休憩には会場敷地内の被爆建物『旧袋町國民學校』見学ツアーに参加し他都府県の参加者は今から67年前の“被爆の一瞬”を追体験しました。
午後は山口(岩国)・東京・千葉・神奈川・愛知・大阪・福岡・広島から8団体がそのたたかいの報告と質疑・討論を重ね、本集会の内容を豊かなものにしたことも特筆されます。
26日(第3日目)は広島県・広島市が今月末にも広島高速5号線二葉山トンネル建設工事着工の可否を決定するため、急遽、本集会名で広島県・広島市・広島高速道路公社に対し要請代表団を派遣します。
私たちは日本国憲法の定めるところにより政治的自由・社会的自由・市民的自由を保証されており、国民の1人として安心・安全な日常生活を営む権利を有しています。
この間、公共工事の名のもとに繰り返される全国各地の道路建設とその影響は、多くの人たちに深刻かつ重大な健康被害と権利侵害を引き起こしています。
しかし、私たちはいかなる理由があろうとも、これらによる権利侵害と生活破壊を許しません。私たちの運動とその歴史は公害軽減に寄与し、無駄な公共工事を中止させ、国民の苦難を抑止する力になるものと確信しています。
衆議院が解散され、総選挙を目前にした情勢の中で開かれた本集会では、私たちひとり一人が、自らの目的を達成させるため『主権者』『納税者』『有権者』として積極的に行動しなくてはならないことを再確認しました。
特に、道路問題は国政の重要課題であり、今般は東日本大震災後を口実とした「防災・減災」目的での公共事業バラマキを許さないことも大きな焦点になります。選挙では環境破壊・大気汚染・騒音被害・健康破壊・地盤災害等から国民を守る政治勢力を大きく前進させる絶好のチャンスです。
また、原爆遺跡保存運動懇談会の協力を得て催行する『被爆建物見学ツアー』は核戦争の悲惨さを実感し核兵器No!戦争No!の願いと世界平和実現への想いを共有する機会となるでしょう。
道路全国連は広範な市民と連携・連帯し『くるま依存社会からの転換を』をスローガンに、ここヒロシマでの成果と教訓にも学び、さらに団結を強め勇躍前進することをここに宣言します。
2012年11月25日
- 第38回道路住民運動全国連絡会『全国交流集会 In ヒロシマ』参加者一同