第41回道路全国連交流集会は、2015年11月7日~8日、東京・国分寺市の東京経済大学で開催され、58団体、延べ153人が参加した。
昨年12月に行われた総選挙で、自民党は国会で過半数の議席を獲得した。その下で、安倍強権政治は、経済至上主義、利益至上主義の道をひたすら暴走し続けている。
その具体例は、リニア中央新幹線の事業認可や沖縄・辺野古の基地建設強行、そして多くの道路事業などにみることができる。こうした巨大な公共事業の推進は、老朽化したインフラ対策やその更新、東北の復興対策が遅れる要因ともなっている。
現地見学は、東京外環道の東名と中央道の2カ所の巨大ジャンクションを訪れた。そのスケールは異常に大きく、成熟した住宅街を分断するだけでなく、地下水を含め、周辺環境を破壊することは明らかである。二つのジャンクションは工事中に始まり供用後も引き続き周辺住民の生活に大きな影響を与えるであろう。
東京外環道に対しては1300通を越える異議申し立てが国土交通省に提出された。リニア中央新幹線では5000通を越える異議申し立てが行われた。また、特定整備路線でも4000通を越える異議申し立てが提出されている。しかし、国土交通省や東京都は、これらの異議申立てに対し、いまだに判断を示していない。先般の沖縄・辺野古での国交省の素早い対応とはあまりにも違いすぎる。
2050年、日本の人口は9700万人に減少すると推定され、高齢化はさらに進行する。そうした中、高齢者にとっては危機的年金や介護で老後崩壊ともいうべき状況にあり、若年層は非正規労働により将来設計を立てられない状況である。さらに子どもの6人に一人は貧困層といわれる。いまや世代を越えて貧困が拡大し、新たな大型道路に国民の税金を使う余裕はない。
21世紀の公共事業は発想を転換しなければならない。人を中心に計画し、まちづくりは人間を主人公として進めるべきである。そのためには、来年6月の参議院選挙、自治体選挙、そして来たるべき総選挙で安倍政権を打倒し、新たな政治の展望を切り拓くことが重要である。
こうした努力をする一方で、2012年、日弁連が国会に提出した「公共事業改革基本法」や本集会の記念講演で示された「オーフス条約」の批准を進める努力が求められる。
私たちは、全国の道路住民運動の連携を進め、新たな戦いに力強く立ち上がることをここに決意する。
2015年11月8日
- 第41回道路全国連全国交流集会参加者一同