第26回全国交流集会アピール

私たちは、第26回道路公害反対運動全国交流大阪集会を、11月18日、19日に大阪にて開催し、全国から230名の参加のもとに現地見学や各地の経験を交流し、また、21世紀に向けての「車社会」のあり方の討論もおこなった。

43号線最高裁判決、西淀川地裁判決、川崎地裁判決に続き、今年1月の尼崎地裁判決においても画期的な差し止め命令など、道路公害がきびしく断罪された。これらの裁判を通じて、道路公害がいかに住民に健康被害をもたらしているかが明確になった。そして、勝利判決が確定した訴訟や勝利和解した訴訟の地域において、国は道路公害対策への取り組みを行い始めている。しかし、国は今現在、尼崎での和解に応じず、また、全国的な車優先の道路行政の転換を行おうとしていない。

不況を口実として大型公共事業に莫大な税金投入が行われ、今年度末で650兆円の借金をかかえ、財政破綻も抜きさしならない状況となってきている。それにもかかわらず、国は630兆円の公共投資の見直しを行わず、第12次道路整備五ヵ年計画に於いて78兆円の投資を進めている。

圏央道での収用手続きに見られるように、住民の意思を無視した道路建設の強行が行われている。また、大阪や兵庫に於いても第二京阪道路、阪神高速淀川左岸線、大和川線、第二名神、阪神高速東本町入路ランプなどが建設着手や建設に向けての手続きが急ピッチで進められ、関係地域住民の不安を惹起している。

大気汚染や騒音など道路公害の状況が一向に改善されない中、道路建設が進められるなら、環境がより一層悪化することは明らかであり、また、まち壊しが進むことも明らかである。

私たちは、全国からつどい、経験を交流し、学ぶ中で、次のことを国や自治体に求めるものである。そして、私たちは住民運動をねばり強く展開し、21世紀を環境優先、住民が主人公の世紀とするために奮闘するものである。

一、圏央道での収容手続きを今すぐ中止し、大阪をはじめ各地での住民合意のない道路建設をストップすること。

一、 道路環境の抜本的改善に取り組み、環境破壊・自然破壊・まち壊しの道路建設をやめること。

一、 公共事業は道路建設優先から生活密着型優先に切り替え、同時にゼネコン向け大型公共事業予算を減らし、くらし・社会保障予算にまわすこと。

一、 車優先の交通政策から、人間優先・公共交通優先の政策に切り替えること。

以上、集会アピールとする。

2000年11月19日

  • 第26回道路公害反対運動全国交流大阪集会