第42回全国交流集会アピール

第42回道路全国連交流集会は、2016年11月12日~13日、名古屋・労働会館で開催され、38団体、実質74人が参加した。

今年7月に行なわれた参議院選挙で自民党をはじめとする改憲政党が過半数を占めた。 しかし、32の定員1人区すべてで野党統一候補が実現し、11の選挙区で勝利を収めた。このことは今後の日本の政治にとって画期的な前進であった。ところが安倍政権はこれまでまともな議論を行わなかった憲法改悪を企図し、破綻したアベノミクスによる国民生活破壊の暴走路線を更に進めようとしている。そして相変わらずの大型公共事業の推進、リニア中央新幹線への公的資金の投入、辺野古や高江での米軍基地建設強行、東日本大震災の復興対策や原発汚染対策の遅れ、原発再稼働推進など国民生活を一顧だにしない悪政を続けている。

名古屋での現地見学は国道23号線の大型車対策、都市計画道路の一部廃止、国道302号線の工事被害補償の見直しなど貴重な前進を勝ち取っているのを見てきたが、不要な都市計画道路がいまだに推し進められようとしている。愛知県内で見ると中部国際空港の第二滑走路建設、同空港へのアクセス道として「西知多道路」の建設が計画されている。

リニア中央新幹線建設は愛知県内は勿論計画予定の各自治体でも多くの県民が反対を表明し、訴訟も行なわれている。多大な環境破壊が予想され、必要性、採算性、安全性と共に大深度工法による大量の土砂運搬による交通公害・渋滞の問題にも注目すべきである。にも関わらず、国がJRという一企業に3兆円もの財政投融資を行うことは許しがたい。問題の山積するリニア中央新幹線は建設中止以外に選択肢はあり得ない。

全国各地で、決定されればたとえ状況が変化しても、また住民の反対が強くても道路の計画・建設は止まることが無い。「渋滞」を理由に次々と道路を新設、拡大しても渋滞は解決していない。ここ数十年にわたり巨額な予算をつぎ込んで高速道路、港湾、空港など大型開発事業が進められてきたが国土の破壊、国民生活の窮乏、環境破壊、健康被害を促進してきただけであると断言せざるを得ない。

私たち道路全国連は国や地方自治体がこうした政策を転換し、むしろ高度成長期に建設された高速道路の劣化によるひび割れ・路面陥没の発生、老朽化し危険な橋脚・トンネルなどの対策・更新・補強にこそ予算を回すべきであると考える。

また、CO2やPM2.5の削減のためには自動車の総量を減らすことが最も有効な解決策である。

私たちは個別の不要な道路建設に反対するとともに、「車優先の道路建設」から本来あるべき「人に優しい交通政策・まちづくり」を行うよう国や地方自治体に求めるとともに、そのために全力を挙げて闘いを強化することを決意する。

2016年11月13日

  • 第42回道路全国連全国交流集会参加者一同